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もう一つのブラジルW杯 ロボカップ、日本勢の優勝も

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2014/8/21付
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 サッカーの聖地ブラジルで7月下旬、もうひとつのW杯が開かれた。東部の町ジョアン・ペソアで開催された「ロボカップ」はロボットのサッカー世界大会だ。目標は「2050年、人間の世界王者に勝つ」こと。欧米のほか日本や中国など世界約40カ国・地域の研究機関が技術を競った。玩具の域を大きく逸脱したロボの一挙手一投足に企業も熱い視線を注ぐ。

■高度な機械要素の勝負に

ロボットがサッカーで熱戦。ブラジルで世界大会、高度な人工知能や機械の性能を披露

ロボットがサッカーで熱戦。ブラジルで世界大会、高度な人工知能や機械の性能を披露

 試合終了のホイッスル――。千葉工業大学の12人のメンバーは飛び上がり、拳を突き上げた。子供大のヒト型ロボで競う種目の決勝戦、英ハートフォードシャー大学を下し頂点を極めた。4日間にわたる戦いの日々は平たんではなかった。

 初日の予選2試合を終え、千葉工大の林原靖男教授が直面したのは無線通信の不具合だ。「日本では起きなかった不具合。『大会の魔物』としかいいようがない」――。千葉工大のロボットが採用した無線規格は、欧米に比べ弱い。他国の無線が飛び交うなか、ロボ同士が情報を交換し、攻撃や守備など最適な行動を選ぶ連携システムがまひしてしまっていたのだ。

 こうした不具合を抱えて同大が選んだのは、あえて高度なシステムを放棄する戦術。部分的に通信を切り、個々のロボに判断を委ねる。走力やボディーバランスで真っ向勝負する形だ。人間でいうなら、パス回しを重視するチームワーク型でなく、スター選手の個人プレーに任せる「パワープレー」といったところか。部品の性能や強度といった高度な機械要素の勝負だ。

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 なかでも「これを無くして成り立たない」と林原教授が断言するのが、双葉電子工業が生産するモーター「RS405CB」。小型ながら大きな力を出せ、精密な動作にも優れる。双葉電子は2011年から千葉工大と協力。割安に提供する一方で性能の評価や故障例といったリポートを受け取り、改善を重ねてきた。

 例えば軸の強度。転ぶことが当たり前のヒト型ロボットでは、モーターの出力軸へ不意に大きな力がかかる。千葉工大からの実地試験の情報をもとにねじれに強い形状に部材を変更した。「ロボット向け部品は研究機関から愛好家まで顧客の知識レベルが非常に高い。使用者が持つ情報を集めることが肝心」。電子機器事業部の鈴木康之主任技師は話す。

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