2018年6月24日(日)

太陽光パネルで負けても発電所建設で稼ぐドイツ

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2014/8/27 7:00
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 EPCサービスとしての最大の特徴は、施工期間が短いこと。現在、国内のメガソーラー建設では、1M~2MWの場合、6カ月の工期が一般的だ。セーフレイは、150MWのメガソーラーを数カ月で完成させた実績もあり、欧州の大手EPC事業者のなかでも、施工のスピードでは定評があるという。

図2 クリーナーの「グラウンドスクリュー」

図2 クリーナーの「グラウンドスクリュー」

 短期施工を可能にしている技術要素の1つが、専用の重機を使った杭基礎の施工だ。これはドイツの杭基礎メーカーのクリーナーの製品を採用したものだ(図2)。「グラウンドスクリュー」と呼ぶ、スクリュー(ねじ)構造になったアルミ製の鋼管杭を、「グラウンドスクリュー・ドライバー」という専用の重機で地面に深くねじ込んで固定する。その杭基礎に継手なしで直接、架台を取り付けるので、強度に優れる。

 クリーナーグループはもともと、公園などの杭基礎を手掛けてきた。その技術をメガソーラーに応用し、すでに太陽光発電所だけで1000MW(1GW)以上の実績があるという。

■地盤調査に高度なノウハウ

 グラウンドスクリューには様々な長さがあり、地盤の状態や設置地域の気候などによって使い分け、地中にねじ込む深さを変える。また、杭と杭の間隔も地盤特性や風況、メガソーラーの位置などによって変える。

 「ここまで慎重に事前調査するものなのか」。セーフレイの技術者と共に、テンワスソーラー浅川発電所を施工した坪井工業 環境事業部部長の置塩秀之氏は、地面にねじ込む深さや杭と杭の間隔などを決めるため、ドイツから来日した技術者たちが、地盤を調べる様子を見て、そう感じたという。

 同じ場所の地盤を天気の違う日を選んで、何度も調べるのだという。こうした事前の地盤調査が非常に重要で、そこが目に見えないノウハウになっている。

 浅川町のメガソーラーでは、こうした事前調査の結果、長いものでは地下5mの深さまで杭をねじ込んで、固定している。また、風の影響も加味し、相対的に風圧が強くなるメガソーラー内の一番前と後ろの架台では、杭と杭の間隔を狭めて、強度を高めている。

 設置する杭の長さと間隔が決まれば、後は専用の重機で、次から次にねじ込む。専用重機は、GPS(全地球測位システム)を備えており、正確な位置を把握できる。1台の重機で1日に約300本を設置できる。テンワスソーラー浅川発電所の施工では、専用重機2台を使い、1日600本の杭を設置し、2014年4月の着工からわずか4カ月で完成した。坪井工業の置塩氏は、「ドイツ企業と提携することで、メガソーラーの建設コストを1MW当たり2億円程度に下げるめどが付いた」と自信をみせる。

 今後、ドイツ企業と組んで、大幅なコスト削減に取り組む日本企業が増えそうだ。日本に本格進出を決めたIBCソーラーのロピス氏は、「すでに複数の日本企業から、国内のメガソーラー建設で提携したいと申し入れがある」と打ち合ける。

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