日本の社内ベンチャーはなぜ成功しないのか
インテカー社長 斉藤ウィリアム浩幸

(1/2ページ)
2014/8/19 7:00
保存
共有
印刷
その他

ここ数年、社内ベンチャー育成に取り組む企業が増えてきたようです。9月は米国の新年度が始まる月。胸に秘めたグローバルビジネスのアイデアを実行に移すのには、絶好のタイミングと言えるでしょう。

社内ベンチャーを成功させる最大の秘訣は、元の企業から籍を抜くことです。日本では所属していた部署に半分は肩書を残すような例が散見されますが、片足に「安定」の比重を残していたら、それは全力の50%。新しいことを創造するほどの推進力は生まれ難いでしょう。実績のないベンチャー企業は、便利なオフィスを借りるために家主を説得するだけでも四苦八苦するもの。新規の取引先をつかまえるのもひと通りの苦労ではありません。

苦労は買ってでもしろ、と言いたいわけではありませんが、同じ時代に生きるベンチャーのライバルたちが経験している「苦労」や「失敗」や「挫折」といった得難い経験をショートカットしてしまうのは、非常に大きな機会損失であるように思うのです。

ある大企業の社内ベンチャーでは、創業メンバーが元の会社の名刺を持ち歩いているそうです。日本における大企業の社会的信用力は絶大なものがあり、オフィスの賃貸や銀行からの融資など様々な面で恩恵があるのですが、それならば「ベンチャー」という言葉を外して、既存事業部の新規事業と位置づければ良いのにと思います。

2~3年の事業期間があらかじめ決められているため、期限が迫ると元の事業部に持ち帰る成果は何か、という話になり、結局は発足当初のアイデアを小ぢんまりと形にしただけで終わってしまう。これではまるで、社内ベンチャーではなく事業部内事業です。こういった事例が多くなってしまうのも、元の会社の名刺を捨てない捨てさせないという、相互依存関係が原因ではないでしょうか。

  • 1
  • 2
  • 次へ

日経電子版が最長2月末まで無料!
初割は1/24締切!無料期間中の解約OK!

保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

電子版トップ



[PR]