2019年3月20日(水)

北欧の巨人はよみがえる ノキアが狙う新領土
編集委員 関口和一

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2014/8/17 7:00
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かつて世界の携帯電話市場でシェア4割という圧倒的な地位を誇ったフィンランドのノキア。今年4月、その携帯端末事業を米マイクロソフトに売却した。携帯電話を失ったノキアは新たな事業領域に挑もうとしている。そもそも祖業はパルプやゴム製品。大胆な事業ポートフォリオの入れ替えはお手のものだ。3度変わろうとするノキアの姿とは。

■次はビッグデータに賭ける

携帯基地局の混雑度合いを即時に表示できるノキアのシステム

携帯基地局の混雑度合いを即時に表示できるノキアのシステム

「我々の事業再構築は着実に進んでいる。狙っているのはビッグデータのインフラ整備だ」。ノキアのラジーブ・スーリ社長兼CEO(最高経営責任者)はこう語る。

ノキアの2014年4~6月期決算は、米マイクロソフトへの携帯電話端末事業の売却で純損益は25億1000万ユーロ(約3436億円)の黒字に転換した。ノキアの本業はネットワーク事業となり、これが売上高全体の90%を占める。

日本市場も基地局事業での存在感が増す。高速データ通信技術「LTE」の設備では日本の携帯大手3社に技術を提供し、日本市場で首位。先月にはパナソニックから基地局事業を買収することで合意、NTTドコモの第5世代(5G)携帯電話の開発計画にも加わる。

ノキアの歴史は事業入れ替えの歴史だ
1865年スウェーデン系フィンランド人のフレドリク・イデスタムがパルプ工場を設立、製紙会社としてスタート
1967年ゴム製品メーカーのフィンスカ・グミ社、電信ケーブル会社のフィンランド・ケーブルワークス社と3社合併、電気通信分野へ進出
1970年代電気通信分野に注力、電話交換機用デジタルスイッチを主力商品とする
1980年代電子計算機分野、携帯電話へ進出
1990年代大規模な事業再編により、携帯電話端末・携帯電話インフラ等の電気通信分野に集中し、テレビ製造やパソコンから撤退
2007年独シーメンスと合弁で無線ネットワーク機器会社ノキア・シーメンス・ネットワークスを設立
2011年この年まで10年近く携帯電話端末で世界シェアトップに君臨
2012年韓国サムスンに抜かれ携帯電話端末世界2位に
2013年ノキア・シーメンス・ネットワークスに17億ユーロ(約2250億円)を投じ完全子会社化、ノキア・ソリューション・ネットワークス(NSN)に社名変更
米マイクロソフトに携帯電話事業を54億4000万ユーロ(約7190億円)で売却すると発表。スティーブン・エロップCEOはマイクロソフトに移籍
2014年NSNを社内に吸収、ネットワーク事業部へ移行

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