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男性ソロのストリーミング トップ30に4曲入った2人は

NIKKEI STYLE

日経エンタテインメント!

近年、若手の男性ソロシンガーの活躍が目立っている。ベテランたちも数多くいるなか、若手たちが今の音楽界でどれほどの位置を占めているのか――。前回「世代交代進む男性ソロシンガーTOP30 2位優里、1位は」では男性シンガーランキングを取り上げたが、今回は引き続きストリーミングとCDのランキングを紹介する。

「ストリーミング再生数TOP30」を見ると、米津玄師とVaundyが4曲ずつ、優里、菅田将暉、平井大が3曲ずつで、半数を超える17曲が「男性シンガーランキング」上位5人によるもの。人気が本格的になると、現在の人気曲がロングヒット化しつつ、新曲やそれ以前に評判だった楽曲まで同時にヒットするというのも、ストリーミング時代ならではの現象と言えよう。

5位の『廻廻奇譚』を歌うEveは「男性シンガーランキング」でも7位に入る。動画サイトでの活動を経て19年にメジャーデビューし、既にCDアルバムが週間トップ10入りを果たしているが、20年末のアニメ『呪術廻戦』の主題歌に起用された『廻廻奇譚』が、ダウンロードやストリーミングでも大ヒットしている。

一方、CDのセールスからは、ストリーミングとは異なるヒット現象が見えてくる。まず、CDシングルでは、20年7月に急逝した三浦春馬のダンスチューン『Night Diver』が26万枚で1位に。2位と3位には、17万枚の米津玄師『Pale Blue』と、13万枚の星野源『不思議/創造』が入った。星野源は、10年のソロデビュー後、俳優業と並行して音楽活動を行っており、大ヒット曲『恋』を収録したアルバム『POP VIRUS』(18年)は累計40万枚以上を売り上げる。

また、声優が演じるアニメキャラクターの男性シンガーもランクイン。ゲームやアニメなどを展開する『うたの☆プリンスさまっ♪』の登場人物である、男子アイドルグループ・QUARTET NIGHTのメンバーのソロ作品が16位、17位、20位に入った。

藤井風はCDでも強さ

CDアルバムでは、米津玄師に続き、2位木村拓哉、3位宮本浩次、4位福山雅治らトップスターが並ぶなかで、デビュー2年目の藤井風が5位に入った。

独自のグルーヴを持つピアノの弾き語りカバー動画が話題となり、ミュージシャンや音楽プロデューサーなどが絶賛。アルバム『HELP EVER HURT NEVER』は1年以上のロングヒットを重ねて12万枚に到達した。これは、前述のストリーミングが突出している他の若手男性シンガーには見られない現象だ。今年に入って、ドラマ主題歌『旅路』や、CMソング『きらり』がストリーミングでヒットし始め、お茶の間にも知られる存在となっている。

なお、7位にころん、14位にジェルと、6人組のエンタメユニット!すとぷりのメンバーのソロアルバムがランクイン。動画配信サイトから活動を始めた彼らは、現在も頻繁に生配信を行うなど、ファンとのエンゲージメントが高く、CDセールスが突出している。

以上のように、現在の音楽界ではTikTokをきっかけに多くの男性シンガーの曲がストリーミングでヒットする流れが生まれていることが分かる。今後は彼ら自身にも人気が根付くために、ライブやCDといった他のヒット要素がどう関わってくるかに注目だ。

(ライター 臼井孝)

[日経エンタテインメント! 2021年9月号の記事を再構成]

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