我が家の食費はいくら? 金銭感覚と生活力を磨く方法
子どものお金

家庭で食費を節約するには、子どもの協力も大切です。ですが、食べ物にお金がどのくらいかかっているかなどは、簡単に意識してもらえるものではありません。一人暮らしができるほどの年齢になって、やっと意識できるかというところです。自分が興味を持つゲームや文房具、マンガやお菓子の値段は知っているかもしれませんが、ダイコンはいくらで、この料理にはいくらくらいかかっているかなどには、関心を持っていない子がほとんどではないでしょうか。
ですが、この関心の矛先を少し変えられるよう働きかけると、食費にはいくらかかっている、暮らしにはいくらかかっているということを意識するようになります。我が家の生活費は大体いくらか。これを知ることで、子どもが大きくなってからの「生活力」に差が出ることでしょう。
興味を持つきっかけを
子どもが食費に興味を持つためには、よく買い物に一緒に行くといいなどと言われます。それも有効かもしれませんが、興味のない子は「ただ連れていかれるだけ」になっていることも多いもの。荷物持ちを手伝うためだけと思っている子も、いるかもしれません。
実は、これは家事をしていない父親などにも言えることです。ニンジンや豚肉といった商品を見ても、それが高いのか、安いのか、その判断ができません。だから、値段に興味を持てないのです。他のスーパーなどと比較をさせてみるとよいかもしれません。
それでも、食品1つずつの価格が、食費にどう影響するのかはイメージができないでしょう。一緒に料理をしてみる、親が作った料理の材料を振り返るなどし、コンビニやスーパーの総菜と比較してはじめて、「ああ!」となることが多いと思うのです。例えば100g300円の牛肉と100g500円の牛肉を買って、日を変えて同じ料理を作ってみる。味の感想を話し合ってみると、意外と「どちらも変わらない」となるかもしれません。
食費は食材単体の集まり。それらを組み合わせておいしい料理が結構安く作れるし、高い食材と安い食材の違いは、そう簡単にはわからないものだということも理解できると思います。作ったり、話し合ったりすることが、非常にいいマネー教育になりますし、親子のコミュニケーションにもなり、一石二鳥です。
記録をつけて、1週間の食費を調べてみよう
いま食べているもの(一食)には、いくらくらいかかっているのか。これは、とても分かりにくいことです。外食などの経験が多いお子さんは、メニューの金額をみて、一食あたりの価格をなんとなく把握していることもあるでしょうが、多くの子はあまり知りません。
ここの意識を変える目的で、1週間で買った食材と、作った料理または食べたものを記録してみるのもよいと思います。子どもは小学3年生くらいの社会の授業で「買い物調べ」をするのですが、それの手の込んだバージョンとでも思っていただければよいでしょう。
1週間に購入したものを記録し、金額を記入。個々の商品の価格にこだわりたければ、1つずつ記録してもよいですが、大まかに食費を知ってほしいという場合は、スーパーごとに記録するだけでもOKです。
そして、食事も記録。給食があるでしょうから、意識すべきは朝食、夕食が主です。弁当を作っているご家庭では、弁当のメニューも記録したいですね。そして、それにはどのような食材が使われているかを、毎夕食後とか、週末など時間が取れる時に振り返ってみましょう。振り返るのは難しい、と感じる方は、一緒に調理をしたり、食事の時にどんな食材が入っているか確認しながら食べたりすることでも、随分と意識されると思います。
そして、1週間に食べたものと、食費を知ることを繰り返すと、食費は1週間でこのくらいかかる、という感覚が身についてきます。さらには、食費管理を手伝ってくれる、または食費の節約に一役買ってくれる存在になることもあるかもしれませんね。
他の支出にも目が向くように
食費という生活費の要になる変動費に意識が向くと、日用品にはいくらかかっているのか、電気、水道はいくらかかっているのかなどに、目が向くようになる子もいます。これは「生活にかかるお金」全体に関心が持てているということ。
子どものうちからある程度、生活にかかるお金を知っていると、高校卒業後など一人暮らしを始める時の不安が減ります。
家計としても、子どもが生活費を意識してくれるといろいろな利点があります。無駄を指摘してくれたり、節約するための面白い策を考えてくれたり……。家計にも役立ち、生活も今まで以上に楽しくなるかもしれません。記録をする、振り返る、考えるなどは少々面倒なことではありますが、お子さんとぜひ、楽しく取り組んでみていただけたらと思います。

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