使ってみたWindows11 マック似、タスクバーは中央に
6年ぶりの新Windows その概要を明らかに(下)
マイクロソフトが今年10月から段階的にリリースするWindows 10(ウィンドウズ10)の後継OS(基本ソフト)「Windows 11(ウィンドウズ11)」。6年ぶりとなる新OSの概要をいち早く解説する連載の2回目は見た目と使い勝手のファーストインプレッションをお伝えする。
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ウィンドウズ11は「Fluent」(フルーエント、「流ちょうな」という意味)というマイクロソフトの新しいデザイン言語で設計されており、ユーザーインターフェース(UI)がウィンドウズ10から大きく刷新されている。
マックみたい! タスクバーのアイコンが中央に
11(本記事はプレビュー版を使用)を起動してまず目に付くのが、スタートボタンがタスクバーの中央に、各種アプリのアイコンと一緒に配置されていることだ(図1)。歴代のウィンドウズでは常に左端にあったので、初めて見たときは「えっ!」と驚かされる。まるでマック(macOS)のようだ。一方、通知領域の見た目は10とほぼ同じで、時計やカレンダー、IME(日本語入力)などのアイコンが並ぶ。

スタートボタンをクリックするとスタートメニューが画面中央に開く(図2)。ウィンドウズ歴が長いベテランほど違和感を覚えるかもしれない。

スタートメニューの内容も大きく変わっている。10ではよく使うアプリが大きめの「タイル」として表示されるが、11ではピン留めされたアプリのアイコンがシンプルに並ぶ。また、下部には最近使用したファイルが「おすすめ」として表示される。右上にある「すべてのアプリ」を押すと、すべてのアプリが一覧表示される(図3)。10のタイルと同様、アプリは自由自在にピン留めでき、アイコンは好きな場所に移動できる。

電源ボタンやキー操作は10と同じ
スタートメニューには検索ボックスと電源ボタン、ユーザーのアイコンが配置されている。シャットダウンなど電源ボタンの機能は10と同じだ。10のスタートメニューにあった「設定」のボタンはアプリのアイコンと一緒にピン留めされているので、そこから選ぶ。もしくは「Windows」+「I」キーで開ける。主要なショートカットキーは10と同じだ。
エクスプローラー周りでは、アイコンのデザイン変更に新しさを感じる(図4)。10のフォルダーアイコンは縦型のバインダー風だったが、11ではタブ付きの横型に変更されている。また、主要フォルダーはカラフルになり、「ドキュメント」はシルバー、「ピクチャ」は青、「ビデオ」は紫など、色ですぐに判別できる。色で特別なフォルダーだとわかるので入門者にも親切だ。

新機能でまず目に付くのは、天気やカレンダー、ニュースなどを素早くチェックできる「ウィジェット」(図5)。タスクバーのアイコンを押すとパネルが表示され、ニュースなどの情報をウィジェットとして表示できる。今年になって10に追加された「ニュースと関心事項」の強化版のようなイメージだ。スマホでも同様のウィジェット(ホーム画面に配置するアプリ)があるので、それらに慣れた人にはうれしい新機能といえるだろう。表示する内容は自由にカスタマイズできる。

複数のウインドウをきれいに整理する「スナップ」機能の進化にも注目だ(図6)。ウインドウ右上の「最大化」ボタンにマウスポインターを合わせるとウインドウの配置方法のメニューが開くようになった。画面全体を2~4分割してウインドウをきれいに配置できる。

Androidアプリが動く
新機能の目玉の1つが、Android(アンドロイド)アプリへの対応だ(図7)。プレビュー版では未搭載なので詳細は不明だが、AmazonのアプリストアからダウンロードできるAndroidアプリがそのまま動くという(図8)。


このほか、ビデオ会議アプリの「Teams(チームズ)」が標準となり(図9)、ゲーミング機能も大幅に強化されている(図10、図11)。



その一方で、なくなる機能もある。10からのアップグレード、および11のクリーンインストールでなくなる機能を図12に示した。多くはMicrosoft Storeから手動でインストールできるがIEとタイムライン、Walletは完全になくなる。

(ライター 滝伸次)
[日経PC21 2021年10月号掲載記事を再構成]
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