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ツイッター自販機、日本上陸 米服飾の野心的O2O

ミニブログツイッター」と連動する自販機が日本に初上陸する。導入するのは米国発のカジュアル衣料「オールドネイビー」。「GAP」の姉妹ブランドで全世界に1000店舗のネットワークを築く。流行の衣料を低価格で素早く投入する「ファストファッション」ブームの一端を担うが、24店舗を構える日本では、まだ知る人ぞ知る存在。「ツイッター自販機」で一気に知名度を高める狙いだ。

ネットにつながった自販機という飛び道具で、最終的には消費者を実店舗に誘導しようと試みる。実店舗とネットを融合させて消費を促す販促手法「オンライン・ツー・オフライン(O2O)」に注目が集まる中、話題を呼びそうだ。

3台の自販機が3日間、都内に出没

自販機前でスマホなどで「つぶやく」と、人気商品のビーチサンダルが無料でもらえる。写真は米国で実施したときの様子(提供:米オールドネイビー)

「他社にはないブランドコンセプトの1つ、『Fun(楽しさ)』に対するこだわりを、一人でも多く(ツイッター自販機の)体験を通じて感じてもらいたい」。オールドネイビージャパンの松田理宏社長はツイッター自販機導入の狙いをこう話す。面白いことを試みるファッションブランドとしてまず知ってもらうと同時に、自販機で一押しの製品の良さを手にとって理解してもらう一挙両得を目指す。「楽しい形で顧客とのコミュニケーションポイントを構築したかった」(松田社長)ことが、自販機を使ったキャンペーンに乗り出す原動力となった。

8日から3日間の期間限定だが、3台の自販機をそれぞれ自動車で移動させながら、計9カ所に神出鬼没で順次設置する計画。その場所にたまたま居合わせた消費者は、スマートフォン(スマホ)などで指定されたメッセージをツイッターへ投稿。するとそれをネット経由で自販機側が検知し、同社の人気製品であるビーチサンダル「FLIP FLOP」が取り出し口に落ちてくる仕組みだ。数は限られているが、キャンペーンなので無料でもらえる。

同社のビーチサンダル「FLIP FLOP」は1日で300万足も売れた大ヒット商品。全部で200種類あり、国内店舗(写真)でも目立つところに展示されている

FLIP FLOPは全部で200種類ものラインアップがウリで、過去には1日で300万足売ったこともある大ヒット"ビーサン"。ブランドの象徴であるFLIP FLOPを販促物として使い、もっと多くの人々にブランドの存在を知ってもらうにはどうすればいいのか――。熟考の末にたどり着いたアイデアが、自ら「ツイッター自販機」を開発してしまうことだった。

先行して米国ニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルスの3都市に自販機を設置し同様のキャンペーンを実施したところ、結果は大成功。激烈な「ファストファッション戦争」が続く中で、独特の立ち位置をアピールするのに多いに役立ったという。

オールドネイビージャパンの松田理宏社長は「SNSと店舗の双方を駆使して、ブランドのDNAとショッピングの楽しさを消費者に届けたい」と語る

日本でも「オールドネイビー=Fun(楽しさ)」というイメージを醸成できるはずだと自信をみせる。そのために、ブランドのコンセプトをたたき込まれた店舗で働くスタッフが同行し、楽しさの演出を手伝ってもらうことを決めた。街中で製品のサンプルを配るPRはよくあるが、アルバイトはその商品価値の神髄まで理解して消費者と接するわけではない。たまたま手にした人が持ち帰っても、製品そのものに興味を持てなければキャンペーンの成果はあまり出ない。

そこで、店舗スタッフがいつものようにブランドコンセプトの本質を本音でアピールするのが適切だと考えたという。無機質な自販機による斬新な体験と、人手に頼った生々しいメッセージの相乗効果で、消費者に強烈な印象を与える作戦だ。

店舗に誘導、ITで楽しさ演出

実はオールドネイビーは、IT(情報技術)の活用に積極的なファッションブランドとして米国ではよく知られている。たとえば店内に設けた電子看板(デジタルサイネージ)は単なる告知での利用にとどめず、来店が多い親子の顧客が楽しめるよう体験型ゲームも遊べる工夫がある。

「店に来てくれれば"Fun"だということを体で感じながらショッピングを楽しめる。それをモットーに店舗作りに取り組んできた」(松田社長)。米マイクロソフトがゲーム機向けに開発したジェスチャー入力装置「キネクト」にも早くから着目。サイネージの前に立つとキネクトが内蔵するセンサーが体の大きさをスキャンし、ぴったり合うサイズを教えるようにしている。

キャンペーン初日となる8日はまず10時に、1号機が東京・お台場にある大型商業施設「ダイバーシティ東京プラザ」に設置される。幸運にもツイッター自販機に遭遇しFLIP FLOPを入手できた消費者が発するつぶやきメッセージが、この3日間ツイッター上で拡散される様子が見られるはずだ。

O2Oに対する関心が小売業の間で高まっているが、オールドネイビーのような楽しい体験で共感を得ようとする取り組みはまだ少ない。米国の流儀を持ち込んだ最新式O2Oが日本上陸したことで、消費者の販促に対する目がさらに肥えることだけは間違いなさそうである。

(電子報道部 高田学也)

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