2019年8月26日(月)

M&Aから商談相手探しまで 月1万円、SNSでお手伝い
編集委員 鈴木亮

2014/8/10 7:00
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「事業売却したいが買い取ってくれる企業はないか」「駅から徒歩圏の広い土地を売ってくれる企業を探している」。経営者は日々、課題に直面している。社員が走り回って解決策を見つければいいが、経営コンサルタントや投資銀行などに依頼すると、高いコストを覚悟しなければならない。こんな悩みに月1万円で応えてくれるのが、パラシュート(東京・港、三反田久弥社長)の運営する「Settenn」だ。

■300社の会員対象にマッチン

パラシュートの三反田久弥社長

パラシュートの三反田久弥社長

Settennはベンチャー企業や地方の中堅・中小企業を中心に約300社が会員になっている。商談の相手先探しはすべてLINEかフェイスブックが舞台となる。三反田氏のスマートフォン(スマホ)に次々と依頼が飛び込んでくる。取材当日も「太陽光発電の施設を造る土地を探しています」「黒酢をお菓子にも転用できないでしょうか」といった依頼がどんどん入る。三反田氏は最も適切な相手先となりそうな企業を見繕い、マッチングさせる。当事者の企業同士のやりとりもすべてLINEやフェイスブック。実際に会う日程や場所など段取りが決まったところで、三反田氏は退出する流れだ。

三反田氏がマッチングさせる案件は1日あたり40件になる。最近の事例では、群馬県の縫製会社ソーイングボックスと愛媛県の薬局チェーン、レデイ薬局を結びつけた。ソーイングボックスは企業の制服製造が主力。一方、レデイ薬局は薬剤師用にちょっとおしゃれな制服を求めていた。薬局の制服はカタログの既製品しかなく、独自に作るとコストがかかる。レデイ薬局はソーイングボックスに複数のデザイン案を出してもらい、四国内の店舗の薬剤師から意見を聞いて、オリジナルの制服を作った。薬剤師の新規採用とブランド力向上に好影響が出ているという。

東京都中央区のヒューマンリソースマネジメント社は企業にうつ病対策などを提案する研修会社だ。これまで顧客企業は都内だけだったが、Settennの会員企業に呼びかけ、今は顧客企業が全国190社に広がった。

■オフィスも電話も秘書も不要

大阪市の家具製造会社、三吉は海外に製造拠点をつくろうと考えていた。三反田氏が紹介したのがカンボジアのトライ・アジア・グループ。社長が日本人の商社だ。三吉が技術を供与、トライ側が人員や不動産を提供し、現地に合弁会社を設立した。

こうした商談が成立しても、成功報酬などは必要ない。企業が払うのは月間1万円の会費だけだ。Settennは立ち上げから1年ちょっとだが、会員企業は順調に増えている。「3年後に1000社にするのが目標」(三反田氏)。どんな企業がどんなニーズを持つのか。生きた情報を収集するため、三反田氏は海外も含め、毎月25日は出張している。まだ34歳と若いため、自らどこへでも出向く。

LINEなどSNSを活用し、次々ビジネス案件をまとめる手法について三反田氏は、「24時間、どこにいても仕事ができる。オフィスもいらないし、電話も秘書もいらない」と語る。ネット時代の新しいビジネスとして注目を集めそうだ。

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