富士通と旭酒造、IT活用で日本酒に適した米を生産

2014/8/5付
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日経情報ストラテジー

旭酒造の桜井博志代表取締役社長(左)と富士通の廣野充俊執行役員(右)

旭酒造の桜井博志代表取締役社長(左)と富士通の廣野充俊執行役員(右)

富士通は2014年8月4日、日本酒の製造販売を手掛ける旭酒造と共同で、IT(情報技術)を活用した酒造好適米の安定供給に取り組むことを発表した。旭酒造が製造販売する日本酒「獺祭」(だっさい)の原料となる「山田錦」を対象とする取り組みで、山田錦の生産者を増やし、山田錦の生産拡大を目指すものである。旭酒造の桜井博志代表取締役社長は、「山田錦の年間生産量は現在30数万俵ほど。これを将来的には60万俵の安定供給を目指す」と、取り組みの狙いを話した。

富士通と旭酒造の取り組みは、山田錦の栽培に関わるすべてのデータをクラウドに蓄積し、生産者同士でデータを共有できるようにすること。クラウド基盤には、富士通が提供している農業向けクラウドサービス「Akisai」を利用する。蓄積する主なデータは、生産者が日々の作業内容を記録する「作業データ」、その日の気象や土壌の状況を記録する「環境データ」、稲の育成状況を記録する「育成データ」の3種類がある。

3種類のデータのうち環境データについては水田内にセンサーを設置し、気温、湿度、土壌温度、土壌水分、EC(電気伝導度)値を1時間ごとに自動収集できるようにする。育成データについても、水田内に定点観測用のカメラを設置して、1日1回、育成状況を撮影する。取集したセンサーデータや撮影した画像データは、インターネット経由でクラウドに自動送信される。

富士通は収集した各種データを集計・分析し、地域ごとの特性に合わせた栽培手順書「栽培暦」を、Akisaiを通じて提供する予定である。さらに、生産計画や作業実績を管理する機能も提供。これらは栽培暦と連携できるようにする予定で、例えば栽培暦に沿って作業計画を自動的に作成することや、育成が送れているときには肥料の追加を通知することなどが可能になる。

現在は、栽培暦の作成に必要なデータの収集を開始した段階。旭酒造が本社を置く山口県内の2生産者にて、2014年4月からデータを収集している。今後も、旭酒造の取引先を中心にデータ収集の協力を呼び掛けていく。また、旭酒造は山田錦の生産を希望する生産者を対象にした「山田錦栽培勉強会」を、全国各地で開催している。同勉強会を通じて今回の取り組みを紹介し、山田錦を生産したことのない生産者であっても安心して山田錦の生産に取り組めることをアピールし、利用の推進を図っていく。

(日経情報ストラテジー 加藤慶信)

[ITpro 2014年8月4日掲載]

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