2019年9月23日(月)

ITで強まる家族の絆 三井不動産の近未来住宅

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2014/8/6 7:00
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今すぐ使えるIT(情報技術)をフル活用して、新しい住宅の姿を模索する動きが活発になっている。マンション販売の三井不動産レジデンシャルは、家族の団欒(だんらん)や近所付き合いを劇的に変えるコンセプト住宅をこのほど開発した。

仮想人格を持った家と会話しながら自宅周辺で人気のレシピで料理したり、20年前の食卓の風景を瞬時に映像で振り返って親子でおしゃべりしたり――。いずれも、エネルギーをまかなう「スマートハウス」など効率に重きを置いたこれまでのITの使い方とは一線を画すアイデアばかりだ。中長期的に市場の先細りに悩みを抱える住宅業界だが、新風を吹き込めば需要喚起に結びつく可能性もある。

■長男の成績と夕食メニューの相関関係は?

 家「夕食のメニューでお困りのようですね」
 母「そうなのよ、暑くてみんな食欲ないから困っちゃうわ」
 家「去年も同じことを言っていましたね。あ、長男の和也くんはあす塾でテストがあるんですね。過去の1年間のデータを分析すると、前日夜のメニューがカレーならテストの点数が上がっています。カレーにしてはいかがですか」
 母「そんなこと知らなかったわ。じゃあ、カレーにしましょう。ただ何か新しい味付けにチャレンジしたいわね」
 家「『チキンバターカレー』はどうですか? 天才主婦の名をほしいままにしている802号室の平沢さんの奥さんのレシピですよ。作り方を投映しますね。はい、どうぞ」
 母「タマネギ1玉、バター16グラム……。これなら簡単に作れそうだわ」
 家「では、作り方を順番にご説明しますね」

これは、三井不動産レジデンシャルのコンセプト住宅で体験できるワンシーンだ。想定しているのは2020年のあるごく普通の家庭。キッチンの天井にはスピーカーとマイク、プロジェクターが埋め込まれていて、「家」が住人に語りかけながら、必要なデータやイラストなどを投映して紹介してくれる。

家や家族に関するデータはクラウド上に保存する仕組み。過去に作った料理や家族それぞれの趣味、子どものテストの点数など、ありとあらゆるデータが対象だ。このデータを基に「家」があたかも知能を持ったごとく、家族の今後の行動について様々なアドバイスをしてくれる。

三井不動産レジデンシャル市場開発部主管の川路武氏は、コンセプト住宅の開発に乗り出した狙いをこう説明する。「あらゆるものがネットにつながる『IoT(インターネット・オブ・シングス)』。その力を住宅メーカーも無視できなくなってきた」。IoT化した未来の世界では、パソコンやスマートフォン(スマホ)だけでなく身の回りにある家電や機器などもネット接続され、人々の生活を変える。これまでの単に雨露から住人の身を守り快適に過ごせればよかった住宅の役割が、大きく変わろうとしている。

近所とメニューの情報を共有。キッチンのテーブルに作り方を分量などを投映し、料理をサポート

近所とメニューの情報を共有。キッチンのテーブルに作り方を分量などを投映し、料理をサポート

キッチンには料理器具だけでなく、ドリルやスパナなどの工具も設置。家族の新しいコミュニケーションの場を提案している

キッチンには料理器具だけでなく、ドリルやスパナなどの工具も設置。家族の新しいコミュニケーションの場を提案している

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