2018年7月18日(水)

「トラック野郎」大変身 自動運転で事務や営業

(2/2ページ)
2014/8/3 7:00
保存
共有
印刷
その他

 ドイツでは工場に関するあらゆるモノをネットワーク化する「インダストリー4.0」の取り組みが異業種を超えて進む。物流も重要な役割を果たし、工場の受発注とトラックがリアルタイムでつながることは夢ではない。究極的には自動運転トラックを乗りこなす運転手が、ブロガーとして販促をしながら各地を移動する――といったこともできてしまう。

 運送業界の事情もある。独政府によると「30年までドイツの国境を越える輸送は40%、国内輸送も31%増える」。一方で若年層の運転手不足が深刻化する恐れがある。トラックの長時間運転が敬遠されがちなのはどこでも共通だ。運転手の高齢化も進んでおり、業界も自動運転の登場で「魅力的な業界になる」(独運送業界団体の幹部)と期待を寄せる。

■なおハードルも

 もっともすんなり実用化するかは不透明だ。乗用車は米国の一部などで公道走行が可能だが、商用車は依然ハードルが高い。当局が、何トンものトラックの自動走行を認可するまでには至っていない。「燃費や運転手の作業効率の向上、トラック配車の自由度が増せば、価格が割高でも経済的にはメリットがある」(ダイムラー)というが、具体的な効果の数字はまだ非公表だ。

 ダイムラーは「技術的には今でも走らせることは可能」(開発担当幹部のスベン・エンネルスト氏)というが、「保守的にみて乗用車から5年遅らせ、目標を25年にした」(幹部)。居眠りによる事故防止の利点などを訴えながら各国の関連法制の整備を促す地道な取り組みを続ける。

 なぜこのタイミングで会見を開いたのか。9月には独ハノーバーで2年に1度の商用車の国際見本市が開かれる。幹部は「こんな技術はボルボ(スウェーデン)もスカニア(同)も独MANもまだ出せないだろう。9月にさらに成果を見せるんだ」と強調。商用車の自動運転でも世界のトップを走ると猛アピールしているわけだ。

 日本でも自動運転トラックのニーズは高く、走行実験も始まった。大型トラック4台が猛烈な勢いで走る。時速80キロメートル、車間距離はわずか4メートル――。いすゞ自動車や日野自動車など国内メーカー4社と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は13年、大型トラックの隊列走行実験を行った。レーダーやカメラで互いの距離を把握し、アクセルやブレーキを自動制御した。「様々な可能性を模索中だ」(いすゞ幹部)。国内でも熟練ドライバー不足が深刻化している。10年後には腕っ節の太いトラック野郎の姿は一変しているかもしれない。(フランクフルト=加藤貴行、藤村広平)

 ダイムラーが提供する自動運転トラックの動画のURLはhttp://www.youtube.com/watch?v=5u5WXd-kaSs&feature=youtu.be

  • 前へ
  • 1
  • 2
保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報