夏こそ冷蔵庫の節電 冷蔵室には隙間、冷凍庫は詰めて
無駄をなくそう 節約生活のススメ

毎日24時間、1年365日動き続けている冷蔵庫は消費電力の大きな家電です。省エネルギーセンターの「家庭の省エネ大事典」によると、家庭で電気を多く使う機器は電気冷蔵庫、照明器具、テレビ、エアコンの4つで、消費電力量の約4割を占めます。なかでも冷蔵庫は最も消費電力量が大きく、全体の14.2%を占めています。
特に夏は、冷たいものを飲むために冷蔵庫を開け閉めする回数が増え、余計に電力を消費してしまいがちです。
今回は暑い夏にこそ気をつけたい、冷蔵庫の使い方をご紹介します。
まずは冷蔵庫周りの環境を整える
・直射日光を当てない
直射日光が当たって冷蔵庫全体の温度が上がってしまうと、それを下げようとして電力を消費してしまいます。朝日や夕方の西日が当たってしまうようであれば、窓にすだれをかけるなどして日差しを遮るようにしましょう。
・冷蔵庫の周りに隙間をつくる
冷蔵庫と壁の間は5cm以上空けるようにすると、放熱しやすくなり無駄な電力を消費しなくなります。また冷蔵庫の上に物を置きがちですが、これもNG。どうしても物を置きたい場合は、すのこを挟むなどして空気の通りをよくしておきましょう。冷蔵庫の上に乗せるサイズのすのこであれば、100円ショップでも購入することができます。
・設定温度を適切に
冷蔵庫の温度設定は、高・中・低の3種類や、1℃単位で設定できるものなどがあります。できれば冷蔵庫用の温度計を購入し、温度を計測しながら調整しましょう。無駄に冷やしすぎることを避け、節電につながります。
設定温度の目安は以下の通り。
・冷蔵室 1~5℃
・冷凍室 -20~-18℃
・野菜室 3~7℃
室温22℃の時に設定温度を「強」から「中」にした場合、年間で61.72kWh、約1360円の節電、節約になります(「家庭の省エネ大事典」より)。
・パッキンの状態チェック
冷蔵庫ドアのパッキンが緩んでしまうと、冷気が漏れて余計に電力を消費してしまいます。名刺サイズの紙を挟んでみて、パッキンに隙間がないか定期的にチェックしましょう。
また調味料の汚れなどがつきやすいところなので、まめに掃除することも大切です。
冷蔵庫の開閉を減らす
冷蔵庫を開けて冷蔵庫内の冷気が逃げ、室内の温かい空気が入ってしまうと、再び温度を下げようとして電力を消費してしまいます。そのため冷蔵庫の開閉回数を少なくすること、開閉時間を短くすることが節電につながります。
・冷たい飲み物は水筒に移す
夏は冷たいものを飲むために冷蔵庫を何度も開閉してしまいます。これを避けるには、家の中にいる場合でも保冷機能付きの水筒を利用するのがおすすめです。朝、1日に飲む分の冷たい飲み物を水筒に移しておけば、飲み物のための開閉は1回で済みます。家族が複数人いる場合は、人数分の水筒を用意すると効果も大きくでます。
・グループ収納にする
冷蔵庫から目的のものを取り出すとき、開けてすぐに見つからないと、長い時間扉を開けていることになります。冷蔵庫に収納する際、カゴなどを利用して同じ用途のものをまとめておきましょう。冷蔵庫内での置き場を固定すれば、探す必要もなくなります。
ドレッシングのカゴ、中華調味料のカゴ、洋朝食に使うもののカゴ、和朝食に使うもののカゴなどに分けてまとめておきます。カゴごと取り出しカゴごと戻せば開閉時間が少なくなります。また冷蔵庫内の汚れ防止にもなるのでおすすめです。
冷蔵庫内に入れる量と場所に気をつける
・冷蔵室は7~8割
冷蔵室に食材をいっぱいに入れてしまうと冷気の周りが悪くなり、なかなか冷えず、余計に電力を消費してしまいます。冷蔵室に入れるのは7~8割まで。また冷気の吹き出し口の前には物を置かないようにします。
・冷凍室は9割以上
冷凍室は冷蔵室と違い、ぎゅうぎゅうに詰め込んでおくと食材同士が冷やしあうため、効率的に冷えるようになります。すべてを食材にしなくても、保冷剤を間に挟んでおくのもおすすめです。保冷剤があれば、落雷などで停電になったときも長時間冷たい状態を維持することができます。
また夏場の熱中症で体温を下げたいときなど、保冷剤をタオルで包んで利用できます。常備しておくといざというときに便利です。
今回ご紹介したように、冷蔵庫のしくみを理解して対策をすれば、無駄に電力を消費しない使い方ができます。この夏はぜひお試しください。

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