夏の電気代を節約 部屋の温度を上げない工夫ポイント
無駄をなくそう 節約生活のススメ

猛暑を超えて酷暑と言われる夏が続くここ数年。健康のためにも暑さを我慢するのはよくありませんが、消費電力が大きいエアコンを使うとなると電気代が気になるという人も多いでしょう。
省エネルギーセンターの「家庭の省エネ大事典」によると、外気温31度のとき、エアコン(2.2キロワット)の冷房設定温度を27度から28度にし、1日9時間使った場合、年間で約670円の節約になるそうです。
しかし、夏の電気代節約というとエアコンばかりが注目されがちですが、それ以前に室温を上げない工夫をすることも重要です。我慢するのではなく、エアコンの使用頻度を少なくしたり、設定温度を上げたりできるのです。
今回は、簡単にできる室温を上げない方法についてご紹介します。
日差しを遮ると室温がグッと下がる
日中、日当たりがいい部屋はおのずと室温が高くなってしまいます。同じ戸建ての家の中でも日当たりがいい2階の部屋と日当たりが悪い1階の部屋では、室温が5度も違うということもあるほどです。
昔ながらの方法で、窓の外にすだれやよしずを設置すると日差しを遮ることができます。それぞれ長所短所があり、すだれはコンパクトにまとめられるのでシーズンオフでも場所をとりません。一方、掛けるためのフックが必要なので、使える場所が限られます。
よしずは立てかければいいのでフックは不要。しかし、かさばるので保管場所や処分したいというときのゴミ出しに苦労します。
また、ゴーヤーやキュウリなど、ツルがある植物で作るグリーンカーテンは風通しがよく、日差しを遮ってくれるのでおすすめですが、育つまで時間がかかるのが難点。4月から6月中旬くらいまでに植えなければ間に合いません。
ヨーロッパで昔から使われている日よけ、オーニングも近ごろ流行っています。外壁などから大きな布を張り出して日差しを遮るものですが、やはりフックなど建物に固定するための処置が必要になります。
最近は100円ショップでもオーニングやすだれを取り扱っていて、サイズによって100円から500円程度で購入できます。試しに取り入れてみてはいかがでしょうか。
昼間は外出して家にいないという人も、日差し対策は必要になります。日中日差しが入って室温が上がってしまうと、夜になっても部屋の中はモワっと熱がこもった状態になってしまいます。外出中も日差しが部屋に入らないように工夫をしてください。
家の中の風通しをよくする
家の中の風通しをよくすることで、熱気を外に出すことができます。また風が肌にあたると体感温度も低くなります。
風通しをよくするためには、風の入り口とともに出口を作らなければなりません。南と北など対となる2つの窓を開けるのがおすすめ。家の構造上うまく対となる窓を開けられない場合は、玄関に網戸を設置して扉を薄く開けるだけでも効果があります。網戸は簡単にテープで張り付けられる網戸カーテンなどもあるので、賃貸物件の場合でも活用できます。
また南向きの窓と、キッチンの換気扇という組み合わせでも風の流れを作れます。
家の中の風の流れというのは複雑で、周りの建物との関係もあります。実際、筆者の家では、それまで空き地だった南側に家が建ってから、 2階の窓を開けると1階のキッチンに風が吹いてくるようになりました。
そのため、家の中のあちこちの窓を開閉して、どの窓の組み合わせが一番風通しがよくなるか実験してみることをおすすめします。窓を開け、いつも自分が過ごす、涼しくしたい場所に座ってみましょう。ティッシュペーパー1枚広げて持つと、ペーパーの揺れで風の動きが分かりやすくなります。
調理で室温を上げない
ガスの火を使えば室温はおのずと高くなってしまいます。真夏の間だけ調理方法を変えてみるのも一つの手です。
例えばそうめんやそばは、水でほぐすだけで食べられるタイプにしたり、野菜などはゆでる代わりに電子レンジで加熱することで、室温の上昇を防ぐことができます。
長時間煮込むカレーなどは、以前の記事「煮込まず省エネ レトルトカレーでアレンジレシピ」で紹介した方法もおすすめ。レトルトカレーを調味料のように考え、野菜や肉だけサッと炒めてあわせるようにすれば、加熱時間をかなり短縮することが可能です。
今回紹介したような工夫をするのとしないのとでは、同じ外気温でも室温が大きく違ってきます。暑いと感じるのを我慢してエアコンの電気代を節約するのではなく、室温を上げない工夫をして健康的に節約してみてください。

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