タレントパワー急上昇 松本まりか2位、1位はあの人
タレントパワーランキング2021
タレントの「認知度(顔と名前を知っている)」と「関心度(見たい・聴きたい・知りたい)」の調査を元に算出した「タレントパワースコア」。この1年で数値を一気に伸ばしたのは誰か。前年調査と比べてスコアを大幅に伸ばした人たちをランキング化したものが「急上昇ランキング」だ。「総合TOP100」にはまだ届かない人も多いが、1年で認知度と関心度が大幅にアップした、旬の顔ぶれが分かる。[タレントパワースコアについての詳細は記事「タレントパワーランキング あの女優が8年ぶり1位に」参照]

今回の調査で1位となったのは女優の森七菜(インタビュー「森七菜、タレントパワー急上昇トップ 作る側にも興味」)。20年調査の7.7ポイントから18.5ポイントもスコアを伸ばし、今年のスコアは26.2ポイント。スコアの伸びで2位以下に大きく差をつけての大躍進となった。20年はNHKの朝ドラ『エール』に二階堂ふみ演じるヒロインの妹役として出演したことにはじまり、10月期のドラマ『この恋あたためますか』で連ドラ初主演と快進撃が続く。
『恋あた』はTVerでの2020年10‐12月期番組再生数ランキング1位と注目を集めた作品で、地上波放送後「#恋あた」がツイッターの世界トレンド入りするなど反響を呼んだ。また、「オロナミンC」のCMキャラクターにも抜てきされ、天真爛漫な笑顔で年齢・世代問わず多くの人を引きつけた。
2位は女優の松本まりか。18年、『ホリデイラブ』で演じた"あざとかわいい"キャラクターで注目を集め、20年も『竜の道 二つの顔の復讐者』をはじめ、『妖怪シェアハウス』『先生を消す方程式。』と、数々のドラマに途切れることなく出演。また、特番を経てレギュラー化したテレビ朝日のバラエティ『あざとくて何が悪いの?』にたびたび出演し、プライベートやSNSの使い方も話題になった。
3位のティモンディは芸人の急上昇1位。プロ野球からスカウトを受けた経験があるボケの高岸宏行、高校時代に身体能力測定で2年連続全国1位となったツッコミの前田裕太のコンビで、他にはないポジションを確立している。20年は『炎の体育会TV』などのスポーツ系の番組や体当たりロケに数多く挑戦。
21年からは『炎の体育会TV』でレギュラーとなり、STVで初の冠番組『ハレバレティモンディ』がスタート、高岸は22年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』への出演が決まっているなど、話題が途切れない(インタビュー「元高校球児のティモンディ お笑いネタも直球で勝負」)。
LiSA、あいみょんが昨年に続きラインクイン
4位は俳優、アーティストとして活躍する北村匠海。20年は浜辺美波とのW主演作『思い、思われ、ふり、ふられ』や単独初主演作『とんかつDJアゲ太郎』など、出演映画が立て続けに4本公開。映画5本、ドラマ4本に出演し、男性の急上昇ランク1位となった。
ダンスロックバンドDISH//のリーダーとしても活動しており、DISH//は急上昇16位にランクイン。3月にYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」で公開した『猫~THE FIRST TAKE ver.~』が公開直後から人気を集め、21年2月には「THE FIRST TAKE」の作品として初めて1億回再生を突破した。
アーティストではLiSA、あいみょんがそれぞれ昨年に引き続きランクイン。LiSAは昨年は7.5ポイント伸ばして急上昇ランク8位だったが、今年はさらに12ポイント伸ばして5位に。テレビアニメ『鬼滅の刃』に続いて10月公開の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』にも主題歌『炎』を提供し、その歌声が多くの人に届いた。
あいみょんは今年は10.8ポイント伸ばして8位。昨年4月から放送の「淡麗グリーンラベル」でCMに初出演し弾き語りを披露したほか、7月期のドラマ『私の家政夫ナギサさん』に主題歌『裸の心』を提供している。
6位にランクインした江口のりこは夏以降の話題作への起用が続き、パワースコアも右肩上がり。8月から放送された『半沢直樹』で白スーツがトレードマークの国土交通大臣役で視聴者に強烈なインパクトを与えたことにはじまり、21年1月期は『その女、ジルバ』と『俺の家の話』の2作に出演した。『俺の家の話』は22位の長瀬智也(TOKIO)の引退作で、長瀬演じる観山寿一の妹を好演。バイプレーヤーとしての存在感を発揮した。
12位にランクインした伊藤沙莉も、名脇役として頭角を現した女優の1人。20年1月期のテレビアニメ『映像研には手を出すな!』に声優として主演したことでも注目を集めた。他の若手女優にはない落ち着いたハスキーボイスが持ち味で、「メルカリ」「TVer」など、6本のCMにも出演している。

女性芸人の新星多数
7位にはバラエティ番組ですっかりおなじみのフワちゃんがランクイン。ニホンモニターの「2020テレビ番組出演本数ランキング」によれば、20年のテレビ出演本数は330本。物怖じしないキャラクターと突飛な言動で、出演するたびに大きなインパクトを残した。
ジャンル別に見てみると、女優では総合でもトップ100入りを果たした浜辺美波(11位)、『妖怪シェアハウス』はじめ主演ドラマが3作放送された小芝風花(20位)らがランクインした。男優では仲野太賀が14位、吉沢亮が24位に。仲野太賀は20年には出演映画が7作公開、うち2作で主演を務めたほか、ドラマにも多数出演。『恋あた』では森七菜演じるヒロインに密かな恋心を寄せる役を好演した。
ジャニーズではA.B.C‐Zの河合郁人が9.2ポイント伸ばし13位に。東山紀之や嵐・松本潤といったジャニーズの先輩のものまねで注目を集め、バラエティ番組でブレイク。20年は約200本の番組に出演した。ジャニーズからは他にもKing&Priceの岸優太(17位)やSexy Zone佐藤勝利(23位)らがランクインしている。
芸人ではかまいたち、シソンヌ、3時のヒロイン、ハナコらも上位に入った。かまいたちとハナコは昨年も急上昇に名を連ねている。かまいたちは今年9.9ポイントスコアを伸ばして10位。現在はテレビだけで11本のレギュラーを抱えており、今後は総合トップ100にも入りそうな勢いだ。
15位のシソンヌは『LIFE!』や『有吉の壁』など、ネタ番組への出演を重ねて注目度を上げている実力派。18位の3時のヒロインは、19年末の『女芸人No1決定戦 THE W』で優勝し一気にブレイク。日本モニター「2020タレント番組出演本数ランキング」の19年と20年の出演本数比較では280番組増加となり、ぺこぱ、フワちゃんに次ぐ数となった。
(ライター 小沼理=かみゆ)
[日経エンタテインメント! 2021年7月号の記事を再構成]
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