キャンプも普段履きも大活躍 蒸れにくい耐水シューズ
特集 キャンプでも日常でも使える水に強いウエア(下)

天候が変わりやすい山でのキャンプは、防水・はっ水性のある水に強いウエアは必須だ。レインウエアやレインブーツを常備しておくのが最も有効だが、素材の特性として動きにくいうえ蒸れやすく、雨天以外は使いどころがない。
そこでキャンプはもちろんのこと、日常でも使えるデザインの耐水ウエアを3回にわたって紹介する。第3回は、歩きやすい防水シューズを取り上げる。蒸れにくいため全天候に対応し、休日の街履きにも活躍するシンプルなデザインにも注目だ。
防水性とファッション性を兼ね備えた人気モデル

「キャンプで履くシューズには、防水性と汎用性が求められるようになった」と話すのは、丸紅フットウェアのマーケティング部メレルPR・田中祐介氏。キャンプ場は雨が降ればすぐに地面がぬかるみ、足元がぬれてしまうと気分も盛り下がる。また、キャンプだけのために靴を買うのはもったいないと考える人が増え、キャンプでも街でも履けるデザインのシューズが人気だという。
こうしたニーズに合致し、ロングセラーを記録しているのがメレルのハイキングシューズ「カメレオン」だ。防水性が高く、カラーバリエーションが豊富でファッション性が高いカメレオンシリーズは、野外音楽フェスやキャンプシーンで絶大な支持を得ている。
シリーズ8世代目として2020年春に発売された「カメレオン8 ストーム ゴアテックス」は、よりパフォーマンス性の向上に特化して開発された。特にアウトソールは素材からパターンまでフルリニューアルした「ヴィブラム XSトレック エボ」を採用し、シリーズ史上最高の耐久性とグリップ、トラクション(けん引力)を実現したという。
アッパーには、優れた防水透湿性を誇る「ゴアテックスメンブレン」を搭載。靴内部への浸水を防ぐだけでなく、靴内部をドライに保つため、突然の豪雨でも快適な歩行をサポートする。
デザインは、シリーズで最も人気が高かった06年発売の「カメレオン2 ストーム ゴアテックス」を踏襲してアップデート。ファッションユースとして街にも溶け込むデザインとなっており、「またカメレオンを履きたい」といった声が往年のユーザーから届くなど、幅広い年齢層に支持されているという。

ゴアテックスの防水性と優れたクッション性が魅力

クッション性と推進力の高い厚底ランニングシューズで知られるホカ オネオネ。今回紹介する「カハ ロー GTX」は、防水仕様のハイカット登山シューズ「カハ GTX」のローカットデザインとして、21年1月に登場した。
ローカットになったことで見た目も履き心地もより軽快になり、低山登山やキャンプなどのアクティビティーはもちろんのこと、タウンユースもしやすくなった。単色デザインのシンプルなルックスで、幅広いコーディネートを楽しめる。
アッパーの素材は耐水ヌバックレザー。それに加え、防水性に優れた「ゴアテックスファブリクス」をアッパーのライニングに使用しており、雨水が靴内部に染み込むことはないという。ゴアテックスファブリクスは透湿性も高いため、どんな天候でも足はドライで快適とのこと。
ランニングシューズ並みのクッション性も見逃せない。ミッドソールは独自のエチレン酢酸ビニル(EVA)フォームで、車輪のようなローリング運動を導く特許取得の形状で歩きやすい。アウトソールには、雨でぬれたフィールドでも滑りにくい「ヴィブラム メガグリップ」を使用するなど、クッション性とサポート力を兼ね備えた1足となっている。
発売以降、売り上げは好調に推移しており、「梅雨の時期もあって伸長している」とホカ オネオネを展開するデッカーズジャパンのPR・柿崎愛氏は話す。軽さとクッション性の良さから街履きを目的として購入する人も多いという。

幅広いコーディネートに合わせられる防水シューズ

強度に優れたポリエステル生地を使用したバッグや、高機能ブーティなどを展開する、ザ・ノース・フェイスのベース キャンプシリーズ。著名な探検家や冒険家の遠征隊などで長年愛用されているシリーズで、アウトドアシーンだけでなく旅行や日常使いにも適したアイテムをラインアップしている。
「ベース キャンプ レース ウォータープルーフ」は、同シリーズのキャンプ向け防水シューズ。アッパーには、布地にポリウレタン樹脂を塗布した耐水性のある合成皮革、PUソフトレザーを使用。さらに、同社オリジナルの防水メンブレン「TEKWPROOF」をインサートすることで、高い防水性と透湿性を実現している。TEKWPROOFには結露防止機能もあり、長時間履いても蒸れにくく、靴内部を快適に保てるという。
取り外し可能なカップインソールを備え、フィット感が高く履き心地も良い。アウトソールには、同社独自のアウトソールラバー素材「AMPHI-GRIP」を採用。グリップ力が高く、ドライ&ウエットの異なる路面状況でも安定した歩行を可能とする。
防水シューズとは思えないシンプルなレースアップデザインで、オールブラックのためコーディネートしやすい点も特徴だ。アウトドアシーンでの快適さを備えながら、さまざまなファッションに合わせられるので、キャンプはもちろん日常の普段履きとしても活躍するだろう。

(ライター 津田昌宏、写真 野町修平=APT、スタイリング 宇田川雄一)
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