雨の日も快適、普段使いOK キャンプ用はっ水パンツ
特集 キャンプでも日常でも使える水に強いウエア(中)

天候が変わりやすい山でのキャンプは、防水・はっ水性のある水に強いウエアは必須だ。レインウエアやレインブーツを常備しておくのが最も有効だが、素材の特性として動きにくいうえ蒸れやすく、雨天以外は使いどころがない。
そこでキャンプはもちろんのこと、日常でも使えるデザインの耐水ウエアを3回にわたって紹介する。第2回は、雨天での外出に最適な、はっ水加工を施したパンツを取り上げる。アウトドアブランドならではの動きやすさも見逃せない。
伸縮性に優れ、普段使いもしやすい

マーモットは世界中のクライマーから絶大な支持を得る、米国生まれの本格アウトドアブランド。はっ水パンツも動きやすさを重視しており、今回紹介する「プライムフレックスクライムパンツ」はストレッチ性が非常に高い。
素材には、東レの高機能素材「Primeflex(プライムフレックス)」を使用。バネのようなスパイラル構造の糸で製織された生地は、しなやかなストレッチ性を持ち、よく伸びるだけでなく、よく戻る。形崩れしにくいためアウトドア・スポーツウエアはもちろんのこと、テーラードジャケットなどビジネスウエアにも多く採用されている。
一般的なトレッキングパンツは、ストレッチ性を出すためにポリウレタン混素材を使った製品が多い。しかし、重量感が出てしまい、ポリウレタンが経年劣化してしまうなどデメリットがある。プライムフレックスを使用することで、ポリウレタンを使わずとも高いストレッチ性と、軽量な仕上がりを実現した。
2021年2月に発売した最新モデルで、「売り上げは好調」とマーモットのPRを担当する4Kの藤本梨央氏は話す。シンプルなデザインのため、アウトドアからデイリーまで幅広いシーンで着まわせる点が支持されているという。

キャンプでの作業に役立つ機能が満載

登山用のウエアやバッグを展開する英国発アウトドアブランド、カリマーの注目モデル「キャンプ パンツ」。同ブランドでは初となるキャンプ向け商品として、21年春に発売された。
コットン99%、ポリウレタン1%の生地に、「Scotchgard Water Repellent(スコッチガードウォーターレペレント)」のはっ水加工を施して耐水性をプラス。主素材がコットンのためナチュラルな風合いとなっており、キャンプシーンだけでなく普段の街着としても使いやすい。
膝部分には、衣服内の熱を逃がすベンチレーションを配置し、生地を2枚重ねることで耐摩耗性も高めている。また裾口にはアジャスターコードが付いており、丈の長さを調整できるため水辺での作業がしやすい点も特徴だ。
ファスナー付きの、ももポケットは、スマートフォンなどの収納に便利。座った際にポケットに入っている小物が体に当たっていても、不快感が少ない位置に設けているという。このほか、ウエストにカラビナを引っ掛けられるループが付いているなど、キャンプシーンを想定したさまざまな機能を搭載する。
「ゴールデンウイーク(GW)頃から売り上げは好調に推移している」と話すのは、カリマーインターナショナルの広告宣伝部PRESS中島亜唯氏。キャンプ好きの30~40代の男性を中心に支持されており、ユーザーからは「見た目がシンプルなので日常着と兼用できる」との声も寄せられているという。

街使いにも最適なテーパードシルエット

スキーウエアに端を発する、スウェーデン生まれのスポーツ・アウトドアブランド、ピークパフォーマンス。今回紹介する「テック A2B ライト パンツ」は、ストレッチ素材を使用したはっ水パンツとなっている。
生地にはPFCフリーのはっ水加工が施されている。PFCとは過フッ素化合物類を指し、これまで多くのはっ水アイテムに用いられてきた。しかし有害化学物質として、人体への安全性に対する懸念や環境汚染の原因になることから、近年はPFCフリーのはっ水技術に置き換える動きが高まっており、同ブランドもこういった環境に配慮した取り組みに力を入れているという。
膝下からテーパードした細身のシルエットも特徴で、タウンユースにも難なく対応する。伸縮性に加えて立体設計のため、見た目以上に動きやすい。
ウエストは伸縮素材とドローコードで、簡単にフィット感を調整できる。また、左右のハンドポケットのほか、右の太ももとバックに配置されたファスナーポケットも便利だ。
21年春夏シーズンに発売。ピークパフォーマンスのPRを担当するスピンラボの市川奈緒子氏は、「北欧ブランドならではのカラーリングやデザインが、30~50代を中心に支持されている」と話す。

(ライター 津田昌宏、写真 野町修平=APT、スタイリング 宇田川雄一)
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。
関連企業・業界