ぼる塾・ラランド… ポスト第7世代芸人の顔ぶれは
特集 沸騰!ポスト第7世代芸人30組(1)

霜降り明星やハナコ、EXITに代表される「第7世代芸人」が、2019年から20年にかけて盛り上がり、現在のバラエティ界は彼らがセンターに立つようになった。新型コロナウイルスの影響で、客を入れてのライブはこれまで通りというわけにはいかないが、芸人が活躍できるテレビ番組が続々と登場していることや、SNS文化の発展によって、より多くの人の目に触れる機会が増え、ブレイクのチャンスが広がっている。
そこで、今後のお笑い界で飛躍が期待できそうな、「第7世代」の次に続く勢いのある有望株を、ピックアップした。どんな人材がいるのか、顔ぶれを見ていこう。[日経エンタテインメント! 2021年4月号の記事を再構成]※情報は掲載時点のものです
20代は男女コンビが台頭、賞レースに強い二刀流も
25歳以下では、「丸山礼」、「フタリシズカ」の横井かりこる、「ラランド」のサーヤら、女性芸人の台頭が目立つ。丸山は同期に四千頭身がいる、「ネクスト」世代の代表的存在。ロバートの秋山竜次のほか、土屋太鳳やアンミカといったモノマネ芸が得意で、YouTube登録者数は91万人、インスタグラムフォロワー数は52万人超と、ネットメディアで随一の支持度を誇る。芸人としての能力も高く、『新しいカギ』(フジテレビ系)のほか、複数の年末年始特番で活躍した。
フタリシズカは、正月の恒例番組『ぐるナイ おもしろ荘』(日本テレビ系)に出場し、横井が鼻でリコーダーを吹きながら、ボイスパーカッションをするネタで準優勝。交際はしていないが、相方と同居しているコンビとして、謎な私生活にも関心が寄せられている。
ラランドは、大学時代から漫才の実力で一目置かれていたコンビ。会社員と兼業で芸人をしているサーヤは、分析力やトークスキルも高く、現在バラエティ番組に引っ張りだこ。ニシダのダメ人間な素顔にもスポットが当たり始めた。3月には個人事務所を設立し、活躍の場を広げている。

丸山はYouTubeで成功しているが、TikTokで飛躍したのが「土佐兄弟」。「高校生あるある」のネタが10代を中心に人気を集め、現在フォロワー数は110万人超え。20年10月からは冠番組『あるある土佐カンパニー』(テレビ朝日)が始まるなど、芸人として大きく前進した。

26歳のきりやはるかとあんりによる「しんぼる」と、30代の田辺智加と酒寄希望(産休中)による「猫塾」が合流した「ぼる塾」は、現在最も活躍している女性芸人の1組。19年12月に『ネタパレ』(フジテレビ系)に出演して以降、バラエティ番組に頻繁に登場するように。のんびりとマイペースな3人の雰囲気と、あんりの毒舌トークが魅力。昨年は『女芸人No.1決定戦 THE W』のファイナリストになった。

霜降り、ハナコと同期の滝音&ニッポンの社長
20代後半から30代前半では、次世代のホープたちがひしめく。「コウテイ」と「レインボー」は、ゆりやんレトリィバァやガンバレルーヤが同期。コントも漫才もこなすコウテイは、『ABCお笑いグランプリ』で優勝し、拠点は大阪だが、東京制作のバラエティにも出演し始めている。
レインボーは、『おもしろ荘』で優勝経験(18年)があるコンビ。女性を演じる池田のかわいらしさと、ジャンボのカッコ悪い不器用さで引き付ける恋愛コントは、『千鳥のクセがスゴいネタGP』(フジテレビ系)でドラマのような展開を見せ、ファンを増やしている。
「ザ・マミィ」もコント芸人として躍進中で、ハナコ、かが屋、ゾフィーと共に、テレビ朝日の2つのコント特番『お助け!コントット』『東京 BABY BOYS 9』に起用された。酒井は年末に『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の「運動神経悪い芸人」に選ばれ、体を張ったリアクション勝負の企画にも登場するように。

「蛙亭」は空気階段と同期にあたる。20年4月に拠点を東京に移してすぐに、テレビ出演が続々と決まるなど、活動は順調そのもの。「滝音」(メンバーの秋定遼太郎)と、「ニッポンの社長」(メンバーのケツ)は、霜降り明星やハナコと同期になる。2組とも『キングオブコント』の決勝に進出し、『M-1グランプリ』でも準決勝まで進んでおり、実力は折り紙付き。今後全国区の番組でも出演が増えそうな2組だ。
「きつね」は、20年4月からレギュラー放送になった『有吉の壁』(日本テレビ系)で面目躍如。生み出したキャラクター「KOUGU維新」はメンバーの増加など拡大展開し、楽曲をリリースするまでに至った。ピン芸人の「吉住」は、『THE W』で優勝。霜降り明星やハナコ、四千頭身を輩出した17年の『新しい波24』のメンバーでもあり、スポットが当たり始めた今が飛躍のときだ。
次回も引き続き、注目のポスト第7世代芸人を紹介する。

(ライター 内藤悦子、写真 中村嘉昭)
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