シグマ「fp L」 持ち歩ける6100万画素の怪物カメラ

優秀な交換レンズを続々とリリースしているシグマ。2019年に発売したミラーレス機「SIGMA fp」が世界最小最軽量のフルサイズミラーレス一眼カメラとして人気を博した。そして同社は21年4月、その高画素版として「SIGMA fp L」を発売した。有効画素数が約6100万画素という同社最高解像度を誇りながら、小ささと軽さは健在である。この日常的に持ち歩ける「モンスターカメラ」を試してみた。
手のひらに収まる超コンパクトなボディー
「SIGMA fp L」は前機種のスクエアでソリッドなデザインを継承。幅112.6ミリ、高さ69.9ミリ、厚さ45.3ミリと、世界最小最軽量のフルサイズミラーレス一眼というサイズも変わらない。重量も本体のみで375グラム、バッテリーとSDカードを含めても427グラムと軽く、いつでもどこにでも携行できるフルサイズ機になっている。
一番の注目点は、何と言っても約6100万画素というセンサーである(前機種は約2460万画素)。フルサイズの裏面照射型CMOS(相補性金属酸化膜半導体)センサーは、9520×6328ピクセルという、とても高精細な写真を撮影できる。圧倒的な描写力は風景や建築、静物写真などで大いに威力を発揮する。
オートフォーカス性能も向上している。「SIGMA fp」のコントラスト検出方式に加え、高速なピント合わせが可能な像面位相差オートフォーカスを採用し、「ハイブリッドAF」に進化した。これによって高速かつ正確なピント合わせが実現した。
潤沢な画素を利用したユニークな新機能が「クロップズーム」だ。これは最大5倍まで画面中央部を「デジタルズーム」できるもので、短い単焦点レンズを装着していても、被写体をより大きく撮影することが可能だ。特にムービー撮影時に重宝するだろう。
同時に登場した外付けの電子ビューファインダー(EVF)「EVF-11」も見逃せない。0.5型、約368万ドットの有機ELパネルを使用したファインダーは、像の見え方も良好で撮影に没頭できる。上方に90度チルトするのでローアングル撮影がやりやすい。
「SIGMA fp L」は手のひらにカンタンに収まってしまうボディーに、驚くほどの高解像度のセンサーを搭載した「小さなモンスター」カメラに仕上がっている。撮影したカットをパソコンの大画面で確認すると、その写りに酔いしれること間違いなしだ。ボディー内手ぶれ補正機能は備えず、電子シャッターのみというスパルタンな仕様だが、キッチリ写すと超絶的な画質で撮り手に応えてくれるカメラになっている。
次ページ以降で作例を紹介する。
ため息が出るほどの高解像度





ビューファインダー装着で実力を引き出せ!




iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影している。2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。http://sasurau.com/
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