AGFAPHOTO、タイムマシン感覚味わうフィルムカメラ

今人気のフィルムカメラがある。と言ってもレンズ付きフィルムのような外観で、ただシャッターを押すだけのシンプルな構造のカメラである。このAGFAPHOTO「Analogue Photo Camera」はノスタルジックな外観デザインで、フィルム時代を経験した人には懐かしさを、デジタル世代の人には新鮮さを味わわせてくれるフィルムカメラであった。
久しぶりに手にしたフィルムカメラ「Analogue Photo Camera」は、とても軽く、トイカメラ然としたたたずまいに懐かしさを感じた。フィルムを入れて巻き上げ、チープな感触のシャッターを切るだけの簡単操作が魅力だ。
レンズの焦点距離は31ミリで、ピントの合う範囲は1メートルから無限遠。もちろんオートフォーカスではなく、パンフォーカスなので範囲内のどこにでも焦点が合っている状態だ。シャッタースピードは120分の1(1/120)秒固定で絞りはF9と、基本的に屋外での撮影に向いている。
別売りの単4形電池を入れれば、任意にフラッシュを発光させることも可能だ。暗所や室内ではフラッシュをたくのが賢明である。推奨フィルムはカラーおよびモノクロともにISO200から800となっている。
フィルムの優しく淡い仕上がりに
さっそくフィルムを入れてブラブラと街なかを撮り歩いてみたが、軽さといい操作感といい昔懐かしい感じを味わえた。「パチン!」というシャッターの感触といい、あまりアテにならないファインダーといい、「ああ、子どもの頃はこんなカメラでよく写真を撮っていたなあ」と思い出した。
撮影後はフィルムを巻き戻して(忘れないように!)、カメラチェーン店に現像とスマホ転送サービスを依頼した。こうすれば現像が上がると同時に、渡されたQRコードをスマホのカメラで読み取って、デジタル化された撮影データをダウンロードできるのだ。もちろん依頼すれば印画紙にプリントすることもできる。
ダウンロードしたデジタルデータはやはり階調と色合いがフィルムのそれであった。どことなく優しく淡い仕上がりがいい雰囲気だ。
「Analogue Photo Camera」のファインダーはやや広めに見えるのか、実際の仕上がりは思っていたより窮屈な印象だった。また強烈な光源はプラスチック製レンズのため盛大にフレアが出現し、近接撮影カットでは1メートル未満の部分が大きくボケるなど、このカメラの特徴を存分に感じることができた。
シャープですぐ写りが確認できるデジタルカメラもいいが、たまにはこんなしゃれたデザインのフィルムトイカメラで遊ぶのもいいだろう。現像が上がるまで結果がわからない、タイムマシン的な面白さを気軽に味わえるスタイリッシュな1台がAGFAPHOTO「Analogue Photo Camera」だと感じた
次ページ以降で作例を紹介する。









iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影している。2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。http://sasurau.com/
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