春のライトアウター フェミニンにまとうポイント3つ
宮田理江のおしゃれレッスン

2021年春夏ファッションではニューノーマル(新常態)下ということもあり、機能美や着心地のよい服が一段と見直されてきています。健康的なムードや動きやすいアクティブ感など、新しい暮らしぶりに寄り添う装いが支持を集めそうです。象徴的なアイテムは春冷えの時期に欠かせない、かさばらない軽やかアウター。スポーティーな気分を漂わせつつ、フェミニンな印象を添えるミックステイストの着こなしがこの春夏の軸になります。ダウンウエアの代名詞的ブランド「MONCLER(モンクレール)」の「2 Moncler 1952(2 モンクレール 1952)」の新作コレクションから、おしゃれにライトアウターを着こなす3大ポイントをキャッチしていきましょう。
ドローストリングで「垂らす、絞る」 ディテールをアクセント

春のライトアウターは名前の通り、軽やかな見え具合が持ち味です。気負わない表情を印象づけるディテールの一つは、ウエストや裾にぐるっと巡らせたドローストリング(引きひも)。引っ張って絞ることによって、シルエットに変化を生み出せます。余ったひもをあちこちから垂らすことによって、アクティブ感を強めるのにも役立ちます。
コートのウエストと裾に、アクセサリーのような感覚で、目立つ太めドローストリングが取り回され、リズミカルな動きを添えました。ドローストリングをキュッと締めれば、シルエットのめりはりを演出できます。気温やシーンに合わせて、フィット加減を調節できるという使い勝手のよさも魅力です。足首が見えるクロップド丈のパンツにフラットサンダルで抜け感を出して、「ハンサムフェミニン」の着こなしに仕上げました。

つやめきを帯びた素材で仕立てられたライトアウターは、シンプルな装いでもあでやかな着映えに導いてくれます。ドレッシーにも映るから、着ていける場面も広がりそう。モノトーンのライトアウターならドレープの陰影が際立ち、シックに決まります。
ライトアウターの上からベルトを巻くと、ウエストのくびれを強調できます。冬物に比べ、薄手の春アウターはブラウスのような感覚で着こなすのも一つの手。ドローストリングで裾を絞って、くしゅくしゅにたるませれば、自然な細感を引き出す効果を発揮。手首にもギャザーが施されているから、袖に見どころをこしらえる「袖コンシャス」のトレンドもさりげなく取り入れられます。
縦長のシルエットを強調 ほっそりレイヤードにまとめて

春アウターはブルゾン丈が多くなってきますが、寒さが戻る日もあり、ロング丈もまだ手放せません。着丈の長いアウターに、落ち感の強い小物や、長く垂らすディテールを組み合わせると、さらに縦長の印象を強められます。全体をすらりと見せたいときに使えるテクニックです。
着丈の長いアイテム同士を組み合わせる「ロング×ロング」のレイヤードは、細く長いシルエットを際立たせてくれます。トレンチコートの襟元にタートルネック・トップスをのぞかせ、裾下からはワイドパンツを見せるレイヤードは縦長シルエットを描き出す技ありコーデ。コートのベルトをだらんと垂らすことによって、落ち感がさらに高まる仕掛けです。

すらりとしたシルエットを引き立てるウエアにロング丈のジレ(ベスト)があります。両袖がないおかげで、シャープな印象がアップ。前を開けて着ると、レイヤードの効果が出て、さらに軽やかなスタイリングに仕上がります。
表面のシャイニーな光沢が存在感を強めています。装いを立体的に見せているのは、ダイヤモンド状の緻密なキルティング。身頃の正面を縦に長く走るファスナーも細長いイメージを増幅。脱ぎ着が手軽なベストは温度調節に向くアイテム。Tシャツやワンピースなどの上からサッと羽織るだけで、立体感と動きが生まれるので、ムードを変えたいときに重宝します。
着丈バランスをチェンジ クロップド丈でエイジレスな着映えに

着丈の短いクロップド丈のジャケットはライトアウターの軽量感を引き出しやすいアイテムです。ボリュームが控えめなので、上半身をコンパクトに見せられる利点もあります。着丈のバランスに意外感が加わり、元気な印象も加わりそうです。
クロップド丈を取り入れて、スポーティーなムードを醸し出すのは、21年春夏トレンドとして期待されているコーデです。ハイウエストのボトムスと組み合わせれば、腰から下がいっそう伸びやかに映ります。フェミニンなワンピースやミニ丈スカートをパートナーに迎えて、若々しい雰囲気を強める選択肢も。ワイドパンツやデニムパンツなどのカジュアルボトムスとも相性がいいので、着回しの点でも頼もしく映ります。

クロップド丈のライトアウターに、膝上のショート丈ボトムスを引き合わせると、活動的なムードを演出できます。同系色で上下をそろえた「ワントーン」のコーデに整えれば、きれいめカジュアルの着映えに。年齢にとらわれない「エイジレス」の着こなしにも役立ちます。
ボディーラインを拾いすぎないゆとりがかえってきゃしゃ感を引き出してくれる仕掛け。程よいゆったりフォルムはくつろいだ雰囲気を寄り添わせました。フーディーとショートパンツという、カジュアルな組み合わせでありながら、色や風合いの統一感が生きて、のどかで上品な「イージーシック」の装いに。家で過ごす時間にも、近所へのちょっとした外出にもなじむアレンジです。
新しい日常をドレスアップ アウトドアをしなやかに街中使い
「モンクレール ウィメンズ」のヘッドデザイナーを務めるVeronica Leoni(ヴェロニカ・レオーニ)氏が手がける「2 モンクレール 1952」ウィメンズでは、アクティブ感とフェミニニティー、繊細さなどを溶け合わせたウィメンズコレクションを提案。ライトアウターが醸し出す、リラックスしたボリューム感が安心感と楽観を同居させました。
機能性とデザインを兼ね備えたライトアウターは、前を開け閉めして、温度を調節しやすいので、気温が落ち着かない春に重宝します。体を締め付けない着心地や、ポジティブなムード、若々しい着映えなどの長所も、不安を遠ざけたいニューノーマルの着こなしを応援。新しい日常のドレスアップとして迎え入れる価値がありそうです。
モンクレール
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