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源泉徴収票の見方、かんたん解説 確定申告にも不可欠

知ってお得 女性の一生とお金(4)

Q:会社から「源泉徴収票」をもらいました。年収や支払った税金について書かれているのは知っていますが、いまひとつ見方がわかりません。実は、知人の会社を手伝った副業の源泉徴収票もあり、確定申告が必要と言われています。(27歳 独身 会社員)

年間の収入・税額の確定後に発行

会社員や公務員などの給与所得者(仕事の対価として給与をもらっている人)は「年末調整」が実施される12月の給与明細と一緒に、もしくは遅くとも1月末までに勤め先から「源泉徴収票」をもらいます。これは1年間の給与の支払総額、それにかかった所得税額を証明する大切な書類です。

年末調整とは、正しい所得税額を再計算するための作業のことです。給与所得者の所得税の税額計算は会社が行い、毎月の給与から「源泉徴収」して国に納めています。本来であれば、1年間の収入金額が確定しないと正確な税額はわからないのですが、見込み額を基に計算して源泉徴収するため、必ず誤差が出ます。そのため、1年間の収入金額が確定する12月に年末調整を行い、過不足を精算するわけです。

一般的には多めに源泉徴収されているため、引かれ過ぎていた税額が戻るケースが多くなっています。先にもらえるはずの給与の一部が後払いになっているだけで、決して得をしているわけではないのですが、「12月の給与はいつもより多くてうれしい」と感じる人も多いようです。ともあれ、源泉徴収票は1年間の収入と税額が確定した後に発行されることになります。

給与所得者にも控除される「経費」がある

支払金額から様々な所得控除が差し引かれる(写真はイメージ=PIXTA)

源泉徴収票の見方ですが、最初に「支払金額」をチェックしましょう。これは残業代なども含めた1年間の給与総額です。この金額をベースに所得税が計算されます。ただし、支払金額から各種の「所得控除」を差し引いた残りの金額に対して計算されるので、所得控除について知っておくことも重要です。

まず、「給与所得控除」を覚えておきましょう。なかなかイメージしにくいかもしれませんが、給与所得控除とは「自動的に計算される給与所得者の経費」ととらえておいてください。ちなみに「所得」とは何かですが、これは「収入」(給与所得者の場合は支払金額)からその収入を得るためにかかった「経費」(給与所得者の場合は給与所得控除)を引いたものを指します。

お店などを営む「事業所得者」の場合、その事業にかかった実際の支払い(材料費、光熱費、人件費など)を経費としますが、給与所得者には給与の支払金額に応じて計算される給与所得控除という経費があるわけです。

支払金額の右隣の欄にある「給与所得控除後の金額」は、支払金額から給与所得控除を差し引いた額となっています。さらに、その右隣には「所得控除の額の合計額」という欄があります。給与所得控除後の金額からこれを引いた額に、所定の税率をかけて算出したのが支払うべき所得税額、つまり一番右の欄の「源泉徴収税額」になります。

所得控除の内訳は?

所得控除の額の合計額の内容は何かですが、支払金額のすぐ下に「(源泉)控除対象配偶者の有無等」などの欄があります。これは扶養している家族の状況によって適用されます。扶養家族がいないシングルの場合も、数字は記載されていませんが、48万円の「基礎控除」は合計額に含まれています。

さらに、その下には「社会保険料等の金額」という欄がありますが、これは1年間に支払った厚生年金保険料や健康保険料などの合計額です。また、生命保険に加入している場合には「生命保険料の控除額」、地震保険に加入している場合は「地震保険料の控除額」の欄に数字が記載されます。

これらすべてを合わせたものが「所得控除の額の合計額」となります。

所得控除にはほかにも種類があり、たとえば1年間に多くの医療費がかかった場合には「医療費控除」、自然災害などで損失があった場合には「雑損控除」が差し引けます。それにより税額計算の対象となる金額はさらに少なくなり、所得税額も少なくなるのですが、源泉徴収票には載りません。

これらの控除を使いたい場合は「確定申告(還付申告)」をして、払いすぎになっている税金を戻してもらう必要があります。その際に源泉徴収票が必要になりますから、なくさないようにしましょう。

副業「20万円超」は確定申告が必要

副業で「所得が20万円超」ならば確定申告が必要(写真はイメージ=PIXTA)

一方、副業による収入がある場合、確定申告をして正しい所得税額を納めなければなりません。その際にも源泉徴収票が必要です。

副業の方法にも(1)2カ所以上から給与を得ているケース(2)本業の給与以外に原稿料やアフィリエイト収入などがあるケース――が考えられます。

(1)のケースは、それぞれを給与所得として確定申告します。ただし、副業の「給与収入(支払金額)」が年間20万円以下であれば、確定申告しなくても大丈夫です。(2)のケースは、副業を「雑所得」として確定申告します。この場合、副業の「所得」が20万円以下であれば確定申告の必要はありません。つまり、副業で収入を得るのにかかった経費が認められるわけです。副業の所得を把握するためにも、収入金額とそれにかかった経費を日ごろから記帳し、レシートなどを残しておく必要があります。

原稿料や講演料など(2)のケースの副業によっては、対価から所得税が源泉徴収されている場合があります。かかった経費が多ければ所得が少ないわけですから、所得税の払いすぎになることも考えられます。確定申告で還付が受けられるので、源泉徴収されていることを証明するため、仕事先からは「支払調書」を発行してもらうようにしましょう。

浅田里花
ファイナンシャルプランナー。株式会社生活設計塾クルー取締役、東洋大学社会学部非常勤講師。大手証券会社、FP会社に勤務後、1993年に独立。現在はFPサービスを行う生活設計塾クルーのメンバーとして、コンサルティング業務のほか、執筆・講演活動を行う。著書に『災害時絶対に知っておくべき「お金」と「保険」の知識』(共著 ダイヤモンド社)など。

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