インスタ、フォロワー1位は渡辺直美 男性は山下智久
SNSタレントパワーランキング2020
2014年の日本語対応以来、利用者を着実に伸ばしてきたInstagram(インスタグラム)。19年3月時点での月間アクティブユーザー数は3300万人を誇っている。
最もフォロワーを擁する芸能人・タレントは一体誰か。日経エンタテインメント!と日経クロストレンドは、調査会社ユーザーローカルの協力を得て調査を行った(調査は2020年10月)。
トップ30のうち女性が20人
1位に輝いたのはお笑い芸人の渡辺直美で944万2736人だった。日経エンタ!編集部は19年6月末にも同様の調査を行ったが、その時点での渡辺のフォロワー数は約888万人。すでに多くの支持を集めているにもかかわらず、1年強でさらに50万人以上も増やす結果となった。
フォロワー数ランキングでは渡辺、2位ローラ、3位の水原希子を筆頭にトップ30のうち女性が20人を占める結果に。インスタグラムは女性ユーザーが多く、彼女たちのファッションアイコン的な地位を確立している人物が人気を集める傾向が続いているようだ。5位の佐々木希、7位の新木優子、13位の藤田ニコル、14位の桐谷美玲など、女性誌の専属モデル経験者が多く名を連ねている。

19年6月の調査時点から114万人以上もフォロワー数を増やし、18位にランクインした女優の今田美桜もファッション面での支持を集める1人。出演作品の告知に加えて、私服ファッションなどを投稿している。

ライブ配信の活用が活発化
これまで写真や動画共有のSNSとして支持を集めてきたインスタグラムだが、コロナ禍での外出自粛が広がった20年は、ライブ配信の場としても存在感を示した。20年3月中旬と下旬を比較すると、全世界におけるインスタグラムのライブ機能(インスタライブ)の利用者数は50%増加したという。日本のアーティストやタレントも、動画やライブ機能を活用してファンと交流を図った。
なかでも活用が巧みだったのは、女王・渡辺直美だ。彼女は3月にYouTubeチャンネルを開設したが、そのチャンネル名「NAOMICLUB」はインスタライブにてフォロワーから募集して決定。ファンと交流して満足度を高めつつ、フォロワーをしっかりとYouTubeに誘導。1カ月で登録者数50万人以上を獲得した。
新木優子もインスタライブが話題を集めた1人。彼女は、離れた場所でも一緒に配信できる「コラボ」機能を活用し、中村アン、飯豊まりえ、谷まりあなど様々な女優・モデルとライブ配信を実施。プライベートな雰囲気が伝わる会話が話題を集めた。新木のフォロワー数は、19年の調査時より約120万人も増えている。
写真投稿は、ファッションやインテリアなどの参考にしたくなるスタイリッシュな内容が人気を集める傾向にある。一方、インスタライブでは「ファンとの距離の近さを感じさせる交流」であったり、既存メディアでは知ることのなかった「プライベート感のチラ見せ」が反響を集めるキーワードになっているようだ。
男性タレントでは、フォロワー数約503万人の山下智久が4位でトップ。これにアイドルグループの嵐が続く。嵐は19年11月3日にアカウントを開設すると24時間で170万人、2週間強で300万人を突破した。彼らもインスタグラムの様々な機能を駆使して、ファンと交流を図っている。4月20日からは月曜から土曜まで日替わりでメンバーがストーリーズに投稿する企画を実施し、インスタライブも数度開催。趣味や特技を生かした、彼らの日常に触れられる内容に、ネット上にはファンの歓喜の声があふれた。ちなみに、ストーリーズは24時間で投稿が消えてしまうため、こまめにチェックする習慣がついたというファンも多かったようだ。
20年も大物が続々参入

嵐を筆頭に、この1年で新たにインスタグラムを利用するタレントが多数。所属事務所の先輩である木村拓哉も20年5月からスタートし、280万人以上のフォロワーを獲得。木村の長女でモデルのCocomiも3月に開設して180万人を突破している。
ちなみに木村家では、次女のKoki,が父親を上回る17位にランクインしている。Koki,とCocomiは2人で行うインスタライブが人気。注目を集めるのが、普段垣間見ることのない木村のプライベートの姿を語る点だ。父親を「トト」と呼び、「結婚相手はトトよりカッコいい人」と挙げるなど、父親への愛情を存分に表現する。木村のアカウントも含め、木村家の相乗効果でフォロワー数を伸ばしているようだ。
その他の新規参入組では、大ヒット写真集『Sincerely yours…』に連動した、田中みな実の期間限定アカウントが約196万人のフォロワーを獲得(更新は20年1月末で終了)。ガールズグループプロジェクト『Nizi Project』にて誕生した9人組・NiziUが、6月のアカウント開設ながらすでに174万人を突破と、女性からも支持を集めるムーブメントが、インスタグラムでのフォロワー数に直結することを証明する形となった。

インスタグラムでは、投稿に対して「いいね」と「コメント」というリアクションをとれる。ただし、ツイッターのように他のユーザーに拡散する機能は備わっていないため、これらのリアクションは、あくまでもフォロワーが投稿者への「見ている」という反応や感想を伝える行為。そんな「思いを伝えたい」という気持ちを持った、熱いファンを抱えるのは誰かを調べるため、1投稿あたりの「いいね」と「コメント」という反響数を調べて、その平均数を「平均リアクション数」としてランキング化。また、より熱量の高いファン度合いを調べるため、平均反響数をフォロワー数で割った「平均エンゲージメント率」も調査した。
この2つの指標で1位になったのは山下智久。現在21歳の女優・永野芽郁がどちらも2位につけた。彼女はファッショナブルな写真に加えて、寝起きと思われる姿や変顔、成人式の着物姿など、プライベート感のある写真を頻繁に投稿して人気だ。

この2つの指標では永野をはじめ、若手の実力派俳優たちがフォロワー数ランキングより順位を上げている。横浜流星(フォロワー数ランキング49位)、広瀬すず(同35位)、賀来賢人(同52位)の3人はフォロワー数ランキングではトップ30位圏外であった。
横浜の投稿は出演作の告知に加えて、夏に放送された主演ドラマ『私たちはどうかしている』で共演した浜辺美波や高杉真宙など、共演者との仲の良さが垣間見られる写真が多い。賀来賢人も俳優仲間同士の交流をうかがわせる写真を投稿するが、特に話題を集めたのがステイホーム期間に相次いで投稿された直筆の4コママンガ。ドラマや映画で知る賀来からは想像できない"ヘタウマ"な世界観に驚きの声を上げる人が多かった。広瀬すずはツイッターで心のうちを素直に表現するが、インスタグラムではモード感を全面に打ち出したファッション写真を中心に投稿。いずれも、他では見られない新たな一面がファンの反響を集めているようだ。
日経エンタテインメント!編集部と日経クロストレンド編集部が200万人以上のフォロワーがいるアカウントをピックアップ。そのリストを元に、ユーザーローカルがアカウントのフォロワー数とリアクションを調査した。フォロワー数は10月13日時点の数字。反応率などの数字も10月13日時点の数字だが、アカウントによっては今年の全投稿が集計対象になっていないケースもある。
(ライター 羽田健治)
[日経エンタテインメント! 2020年12月号の記事を再構成]
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