気分は箱根駅伝 ナイキ・アディダス、最新シューズ
運動不足解消にお薦めの一足(前編)

正月の一大イベント、箱根駅伝の季節がやってきた。疾走するランナーの姿を見て、今年こそカラダづくりに取り組みたいと考える人も増えるだろう。密を避け、手軽に始められるランニングは運動不足解消にもってこい。そこで、ナイキとアディダスの最新シューズから、毎日のランニングを楽しむエントリーランナー向けモデルと、本格的なトレーニングにも対応するモデルを紹介する。
毎日のランニングに最適な一足
クッション性に優れた「リアクトソール」を採用し、長距離を安定して走れる「ナイキ リアクト マイラー シールド」。大会で自己ベストタイムを狙うようなシリアスランナーよりも、毎日のランニングやウオーキングを楽しむ人やエントリーランナーに向いている。
リアクトソールとは、ナイキ独自のポリウレタン系ミッドソール。従来のスニーカーのソールは、気泡を閉じ込めてクッション性を高めるスポンジ構造のEVA樹脂(合成樹脂の一つ)がほとんどだが、リアクトソールは軟質化したプラスチックのようなポリウレタンを使用することで耐久性を高めつつ、EVAと同様のクッション性を両立する。より高い反発力とその持続性を備える点を特徴とし、長距離ランや毎日のランニングに対応できる。
アッパー(足の甲の部分)には、全天候型の「ナイキ シールド」を採用。ナイキ独自の表面はっ水加工素材により、雨天時も靴内をドライな状態に保つ。また、反射素材を用いており、夜間でも安全にランニングを楽しめるという。
履き口もソフトで、幅広設計のため快適に履ける。アッパーと靴紐(ひも)は足全体を優しく包み込む設計でフィット感も高い。この機能性に加えファッション性も高く、ランニングシーンのみならず、タウンユースでも活躍するはずだ。

トレーニングに適した高反発シューズ

ナイキの「ペガサス」は1983年の登場以来、モデルチェンジを繰り返し、現在まで多くのランナーに愛されるロングセラーモデル。今回紹介する「ナイキ エア ズーム ペガサス 37 シールド」は、20年4月に発売された37代目に、全天候型アッパーのナイキ シールドを採用したモデルとなる。
注目すべきはソールユニットで、大きな話題となった高反発のズームソールを採用。前足部に独自のクッショニングシステム「ズームエア」を搭載し、フォアフット走法での反発力を強化している。そしてミッドソールには、先述のリアクトソールの素材であるクッション性に優れた「リアクトフォーム」を使用。踏み込むたびに力強く反発し、弾むような履き心地を感じられる。
フィット感も高く、アッパーの足中央部のバンドが足のサイズに合わせてフィット。快適でホールド感のある履き心地が持続するという。
高機能なうえ、ナイキ シールドにより天候に左右されることなくランニングを楽しめる一足。大会に向けてスピードアップを狙うランナーの毎日のトレーニングに最適だ。

ハイスピードトレーニングに向けた設計

ペースアップを目指すランナーのために作られたアディダスの「adizero Boston 9」。レースはもちろん、日々のハイスピードトレーニングに最適な一足となっている。
今回紹介する同社の「アディゼロ」シリーズは、最高のフィット感をランナーに提供することを目的に、約4年の歳月をかけて開発されたもの。2008年の登場以来、プロのマラソン選手も使用するアディダスの最高峰モデルとして知られ、アディゼロ着用の選手たちは数々の受賞歴や結果を誇る。
最大の特徴は、0.01ミリメートル単位までこだわって削り出したラスト(靴型)の「microfit(マイクロフィット)」。このmicrofitラストを搭載し、アッパーやソールなどのすべてを軽量に仕上げることで、抜群のフィット感を実現した。フィット感が高いと履き心地が軽くなる。足とシューズが一体化しているような感覚を味わえ、ストレスなく脚を前に出せるのだ。
さらに、ストレッチメッシュアッパーが、足を包み込むようにぴったりフィットし、ハイスピードでも安定感のある履き心地を提供する。
ミッドソールには、高いクッション性と反発性を両立したアディダス独自のミッドソール・テクノロジー「BOOST(ブースト)フォーム」と「LIGHTSTRIKE(ライトストライク)」を搭載。着地の衝撃を和らげると同時に、足首の自然な屈曲と適切なポジションが得られるようにデザインされている。
ヒールには反発力のあるクッションを、前足部には非常に軽量なクッションを配置することで、素早い蹴り出しを可能にしている。また、239グラム(片足27センチメートル)という軽さも見逃せない。

(ライター 津田昌宏、写真 野町修平=APT、スタイリング 宇田川雄一)
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