
「巨大ITが秩序」現実に デジタル化、国家置き去り
パクスなき世界 大断層(2)
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あなたの身の回りの規制は現実に則していますか――。
11月12日、インターネット通販「楽天市場」で、商品の一つである大型テレビの価格が目まぐるしく動いた。
午前9時すぎ、一部の出品者が20万円前後だった価格を3万~4万円引き上げると、1時間以内に全出品の41%が追随した。3日後、今度は約2万円値下げしたところ、同じく41%の商品の価格が引き下がった。
ECサイトを調査するバリュース(東京・渋谷)の高木正良氏は「相手の値動きに合わせて自動で価格を変えるソフトウエアの存在が背後にある」と語る。ソフトによる自動値付けは米アマゾンでは出品者の3割超が採用しているとされる。すでに身近な存在だ。
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伊ボローニャ大のエミリオ・カルバノ准教授らの実験では、複数の人工知能(AI)に商品の値付けをさせると、バラバラだった価格が最終的に均一の価格となった。AIが他者の動きをにらんで利益を最大化した結果で、消費者には不利益となる
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新型コロナウイルスの危機は世界の矛盾をあぶり出し、変化を加速した。古代ローマの平和と秩序の女神「パクス」は消え、価値観の再構築が問われている。「パクスなき世界」では、どんな明日をつくるかを考えていく。