
大断層の先に目を凝らす 「パクスなき世界」を考える
古代ローマの人々は平和と秩序の女神を「Pax(パクス)」と呼びました。「パクス・アメリカーナ(米国による平和)」による繁栄の20世紀が終わり、21世紀は米同時多発テロ、世界金融危機、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)と、私たちに価値観やパラダイムの転換を迫る激動が続いています。
経済のデジタル化、格差の拡大、気候変動、米中対立、技術進歩。世界の経済や政治、社会を揺らす変化がコロナ危機で一気に加速し、時代に大きな断層を刻みました。危機が長引き、未来は一段と見通すことが難しくなっています。
20日から始める連載「パクスなき世界」第3部では世界を分かつ断層を多角的にとらえようと試みます。過去からの延長線にはない、非連続の先にある未来。その手掛かりをみなさんと考えたいと思います。
「パクスなき世界」第3部 記事一覧
識者インタビュー













第1部・第2部まとめ読み

新型コロナウイルスの危機は世界の矛盾をあぶり出し、変化を加速した。古代ローマの平和と秩序の女神「パクス」は消え、価値観の再構築が問われている。「パクスなき世界」では、どんな明日をつくるかを考えていく。