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中小企業再編へ買収後のリスク軽減 税制改正

新税制の柱の一つは買収時のリスクを軽減するための準備金制度の新設だ

中小企業の再編を促すための「経営資源集約化税制」を新設する。M&A(合併・買収)後に生じた想定外の損失に対応できるよう買収費用の一部を税優遇する「準備金制度」をつくるほか、設備投資額の最大10%を法人税から控除することも認める。

経済産業省が2021年の通常国会で中小企業等経営強化法改正案の提出をめざし、中小の再編計画を認定する仕組みをつくる。

買収で見込める生産性向上の効果や、買収前に一定程度のデューデリジェンス(資産査定業務)に取り組むこと、買収後の雇用の安定に配慮することなどを盛り込んだ計画を策定し、政府から認められれば税優遇を受けられる。

新税制の柱の一つは買収時のリスクを軽減するための準備金制度の新設だ。中小のM&Aは、事前のデューデリジェンスが不十分であるケースも多く、買収後に隠れた簿外債務などが発覚するリスクがある。

経産省によると、買収先が過去に粉飾決算をしていて回収できない売掛金が後からわかった事例や、M&A以前に退職していた買収先の複数の元従業員から未払い残業代を請求されたなどの事例があったという。

こうした買収後のリスクに備えるため、買収費用の一定割合を準備金として計上し、税務上の損金(経費)に5年間据え置きで算入できるようにする。法人税の課税対象となる所得(税務上の利益)が減り、負担が抑えられる。5年後からは課税対象となる益金として5年間で均等に算入していく。

M&Aに伴う設備投資も税優遇で後押しする。システム統合などの設備投資について、投資額の最大10%の税額控除または全額の即時償却を認める。資本金が3千万円超の場合の控除率は7%となる。

買収後の雇用の継続を促す制度も導入する。買収先の従業員を雇い、給与などの総額を前年から一定割合以上増やせば優遇する。給与総額を1.5%以上引き上げた場合は増加額の15%、2.5%以上の場合は25%の税額控除を認める。

菅義偉首相は中小企業の生産性向上を重要課題の一つに掲げる。労働生産性は大企業に比べて中小企業が低いため、再編による規模拡大で生産性を高めるねらいだ。

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