復活した「電電ファミリー」、アジアでの過去・未来 - 日本経済新聞
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復活した「電電ファミリー」、アジアでの過去・未来

アジア総局長 高橋徹

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幸先としては悪くない。11月30日、英政府が次世代通信規格「5G」のインフラから中国の華為技術(ファーウェイ)を排除する行程表を示し、通信機器の調達多様化へ向けた資金支援先のひとつにNECの研究拠点を選んだ。

NECは6月にNTTと資本・業務提携し、共同開発する通信機器のグローバル展開に踏み出した。安全保障上の懸念から米国が旗を振り、オーストラリアや英仏も同調するファーウェイ外しの動きを千載一遇の好機と捉える。

ただし欧米はファーウェイと市場を分け合うスウェーデンのエリクソン、フィンランドのノキアのホームグラウンドでもある。2019年の世界シェアが1%足らずのNECが食い込むのは簡単ではない。長い目でみた主戦場は、有力な国産メーカーが不在で、誰もがアウェー状態の新興国だろう。

NTTが前身の日本電信電話公社時代から通信機器をNEC、富士通などの国産メーカーと共同開発し、大量に受発注する構図は「電電ファミリー」と呼ばれた。国際調達への門戸開放で廃れたその体制が、突如として復活した。

「いまさら感」も拭えないファミリーの再集結とその先の海外展開に成算はあるのか。かつての成功と失敗の軌跡がタイに残る。

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8月下旬、バンコク郊外で開いたキングモンクット工科大の開学60周年式典に、梨田和也駐タイ大使が主賓として招かれた。新型コロナウイルスがなければ、当時の安倍晋三政権から閣僚級も訪タイし、ノーベル化学賞の吉野彰・旭化成名誉フェローが記念講演する予定だった。なぜ日本か。発祥がいわば「NTT大学」だからだ。

旧逓信省から分離して1952年に発足した電電公社は、

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経済が成長し目まぐるしく変化するアジアの国々。米国と中国の超大国同士の貿易摩擦が激しくなる中、その狭間に位置するアジアにも余波が及んできた。現地の政治・経済の今を切り取る。

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