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英EU交渉大詰め 漁業権など3分野で相違残る

ジョンソン英首相との電話協議後、テレビを通じて声明を読み上げるフォンデアライエン欧州委員長(5日、ブリュッセル)=ロイター

【ブリュッセル=竹内康雄】欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長と英国のジョンソン首相は5日、自由貿易協定(FTA)など将来関係を巡って電話協議した。意見の隔たりが残るなか、両首脳は首席交渉官に打開策を見いだすため、6日に会うよう指示。これを受けて首脳は7日に再び話し合う。

協議後に公表された共同声明によると、両首脳は多くの分野で進展があったと歓迎する一方、3つの分野で重大な相違が残っているとの認識を共有した。具体的には「英海域でのEU漁船の漁業権」や「公正な競争環境の確保」「紛争解決などのガバナンス」を挙げた。これらの問題が解消されなければ「合意は実現できない」と説明した。

両首脳は意見の対立を解消できるかを評価するため、交渉チームに6日にブリュッセルで会合を持つよう指示した。EUのバルニエ首席交渉官は「我々は前進する方法があるかを見極める」とツイッターに投稿し、交渉が合意できるかどうかの瀬戸際にあるとの認識をにじませた。12月10~11日にブリュッセルで開くEU首脳会議で英国との関係を討議する可能性もある。

英国は1月31日にEUを離脱した。12月末までは「移行期間」で英国はEU加盟国とほぼ同じの扱いを受ける。FTAなどに合意できないと、2021年1月から関税が上がるなど、EUと英国の距離が経済分野を中心に大きく開く。企業活動にも影響が出る可能性が大きい。

もっとも、移行期間が終わる12月末が迫るなか、どこまで実質的な内容を伴った合意できるかは不透明感が強い。合意しても、国際条約として批准するには法的な手続きに時間がかかる。制度変更を企業などに周知する時間はほとんどない。

加えてEUの英側への不満も根強い。コロナ禍にもかかわらず、英政府は制度上認められた移行期間の延長を申請しなかったほか、EUと締結した離脱協定を一部ほごにする内容を盛り込んだ国内市場法案を議会に提出するなど、信頼醸成に逆行するような対応が続いたためだ。

EU側ではフランスを中心とする一部の加盟国から、合意を優先しがちなEU本部に「英側に多く譲歩する内容は受け入れられない」との圧力がかかっている。合意できるかどうかはなお先が見通せない。

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