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モスクワでワクチン接種開始 英米に対抗

ロシアが開発したワクチン「スプートニクV」(9月、モスクワ)=ロイター

【モスクワ=小川知世】モスクワで5日、ロシアが世界で初めて開発したと主張する新型コロナウイルスワクチン「スプートニクV」の大規模接種が始まった。英国や米国で近く接種が始まるのに対抗、成果を誇示する狙いがありそうだ。最終段階の臨床試験(治験)が完了しておらず、安全性を懸念する声がある。

接種は感染リスクが高い病院や教育機関、社会福祉サービスで勤務する希望者を対象に無料で始まった。医療機関70カ所で実施する。4日にオンラインで受け付けを始め、5000人以上が申請したという。ゴリコワ副首相は4日「来週末には国内の全地域が接種に加わる」と説明した。

接種の開始は欧米の動きを意識したとみられる。プーチン大統領は2日、200万回分のワクチン生産のめどがたったとして、大規模接種の開始をゴリコワ氏に指示した。英国が米製薬大手ファイザーなどが開発したワクチンを承認し、7日にも接種を始めると明らかになった直後だった。

安全性や供給体制を疑問視する意見は残る。スプートニクVは治験完了に先駆けて8月に承認し、その後始めた最終段階の治験が続いている。

開発した国立研究所は治験の暫定結果で「95%を上回る」有効性を示したと11月に発表した。だが外国への供給に意欲を示すプーチン氏は接種を受けていない。有力ニュースサイト「メドゥーザ」は4日、情報筋の話として製薬会社が品質が安定した生産体制を確立できていないと伝えた。

モスクワ市によると、スプートニクVはセ氏マイナス18度より低温で暗所に保管する必要がある。100万回分が保管できる冷凍施設を建設済みで、専用車両で医療機関の冷凍庫に運ばれる。同市はワクチンの無料接種のために予算から100億ルーブル(約140億円)を拠出する計画という。

ロシアのコロナ感染者は4日までに累計240万人で、1日の新規感染者は約2万7000人と春を上回るペースで増加が続く。地方で医療体制が逼迫し、保健省によると1日時点で17地域で専用病床の使用率が95%を超えた。世界に先駆けてワクチンを実用化したと威信を示し、感染拡大への国民の不満を抑えたい考えもありそうだ。

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