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首相、脱炭素支援へ2兆円基金 デジタル化には1兆円

(更新)

菅義偉首相は4日、首相官邸で臨時国会の事実上の閉幕を受けて記者会見した。新型コロナウイルスの感染再拡大を受けた追加経済対策について「環境投資で一歩大きく踏み込む。2兆円の基金を創設し、野心的なイノベーションに挑戦する企業を今後10年間継続支援していく」と表明した。

経済対策は来週、閣議決定する。2050年までに温暖化ガス排出量を実質ゼロにする目標の実現へ「自動車から排出される二酸化炭素(CO2)のゼロを目指し、電気自動車などを最大限導入していくための制度や規制を構築する」と強調した。

水素を「新たな電源」として位置づけ、大規模かつ低コストな水素製造装置などの開発を目指すと訴えた。脱炭素に不可欠な蓄電池の開発にも注力する方針を示した。グリーン投資を成長戦略の柱に据える。

デジタル化へ1兆円

「5G」に続く次世代の通信規格「6G」に関しては「世界をリードできるように政府が先頭に立って研究開発する」と説明した。行政のデジタル化などに積む関連費用は「1兆円を超える規模を確保する」と明らかにした。

デジタル政策の司令塔となるデジタル庁に「民間から100人規模の高度な専門人材を迎える」と明言した。情報システムを一元的に所管し、他省庁に勧告・是正できる強い権限を持たせる。

マイナンバーカードの普及推進策として、今年度末までに申請した人にマイナポイントの期限を半年延長する方針も打ち出した。カードと運転免許証の一体化を今後5年以内に進めるなど「一挙に措置する」と提唱した。

予備費「十分な額に」

新型コロナの感染拡大防止策では「何が起きても対応できるように十分な額の予備費を確保する」との方針を提示した。「国民生活の安心を確保し、将来の成長の基盤を作る」と力説した。

新型コロナ対策にあてる地方創生臨時交付金は1兆5千億円増額する。「各自治体の事業者支援など独自の事業に加え、営業時間短縮を要請した場合の『協力金』を国として支援する」と説いた。

20年度の2度の補正予算で計上した合計3兆円に上乗せする。感染防止策で飲食店などに要請する営業時間短縮を巡り「協力していただいたすべての店舗にしっかりと支援する」と言明した。

無利子融資を継続

雇用調整助成金を日額上限1万5千円に引き上げる特例措置は延長する。日本政策金融公庫による無利子・無担保融資は2021年前半まで続ける。経済対策の規模は「総額を含めて検討している」と述べるにとどめた。

低所得のひとり親世帯には1世帯あたり5万円を年内に支給する方針を提示した。第2子以降にはさらに3万円を給付する。予備費を活用して年内に決める。

「携帯改革これから」

政権の看板政策である携帯電話料金の引き下げにも言及した。NTTドコモが割安な新料金プランを発表したのを受けて「本格的な競争に向けた一つの節目を迎えた」と話した。

そのうえで「本当の改革はこれからだ。残された障害がないか、さらなる対応を取っていきたい」と語り、引き続き料金引き下げを促す構えだ。

不妊治療については男性も対象に22年度から保険適用を始めると打ち出した。それまでは現行の助成制度の所得制限を撤廃する考えで、助成額の拡充を唱えた。

現在は初回は30万円、2回目以降は1回15万円の助成金を、2回目以降も30万円を6回まで助成すると発言した。20年度第3次補正予算案に必要な予算を計上する。

妊娠しても流産や死産を繰り返す「不育症」の検査や、がん患者の不妊治療にも「新たな支援をする」と宣言した。

75歳以上の高齢者医療費の窓口負担引き上げには意欲を見せた。「将来の若い世代の負担を少しでも減らしていくのが大事だ」と語った。与党内の先送り論への対応は「関係大臣に調整し、検討を進めるよう指示した」と説明した。

コロナ「強い危機感」

新型コロナの感染状況には「新規感染者数や重症者数が過去最多となり、極めて警戒すべき状況だ」と分析した。「強い危機感を持って対応している。国民の命と暮らしを守るのが政府の最大の責務だ」と訴えた。

緊急事態宣言や飲食店などへの休業要請などを規定する特別措置法の改正を検討する考えも示した。「政府として必要な見直しは迅速に行っていきたい」と語った。

専門家で構成する分科会で「事業者や個人の権利に十分配慮しつつ、感染拡大防止へどのような法的措置が必要なのか」を議論すると述べた。

観光需要喚起策「Go To トラベル」の運用は「地域の感染状況を踏まえ、知事の意見を聞きながら国が最終判断する」と話した。

新型コロナのワクチンに関しては、安全性と有効性を最優先としたうえで供給に向けて「事前の準備に万全を尽くす」と言明した。接種可能になる時期は明言しなかった。

首相自身が接種するかを問う質問には「最初は医療関係者などいろんな順番がある」と前置きして「自分に順番が回ってきたら接種したい」と言及した。

衆院解散・総選挙の時期を聞かれると「衆院議員の任期も来年秋までで、そこのなかでいつなのか検討する必要がある。時間的な制約も考えながら、よくよく考えていきたい」と答えた。

訪米「しかるべき時」

米大統領選で当選確実となったバイデン氏と会談するための訪米については「具体的には何ら決まっていない。今後しかるべきタイミングで調整したい」との回答にとどめた。

11月のバイデン氏との電話協議で「新型コロナの感染状況を見つつ、できる限り早い時期に会おうということで一致している」と主張した。

日本学術会議が推薦した会員候補の一部の任命を拒否した問題では「学術会議に求められる役割を踏まえて任命権者として適切に判断した」と説明した。任命しなかった理由は「人事に関することで、お答えは差し控えたい」と回答を避けた。

既得権益や前例主義を打破する必要性に触れ「学術会議も新しい方向に向かった方がいいのではないかという中で、内閣法制局の理解を得て自ら判断させて頂いた」と強調した。

記者会見では安倍晋三前首相の後援会が主催した「桜を見る会」前夜祭を巡る問題の質問も出た。安倍政権の官房長官だった当時の国会答弁について「責任を持つことは当然だ」と答えた。「必要であれば、安倍前首相に確認しながら答弁してきた」と主張した。

首相の記者会見の頻度を聞く質問には「コロナをはじめとする対応策はもっとしっかり発信できるようにしたい」と述べた。

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