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OPECプラス、減産を縮小 コロナで割れる需要見通し

【チュニス=久門武史】石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の主要産油国でつくる枠組み「OPECプラス」は3日、協調減産を小幅に縮小すると決めた。減産幅は1カ月ごとに見直す。原油需要は新型コロナウイルスの感染拡大で低迷している。ワクチン供給開始への期待はあるが需要回復につながるかどうか読み切れない。

産油国は需要の低迷にあえいでいる=ロイター

OPECプラスの閣僚協議は現行の日量770万バレルの減産規模を2021年1月から720万バレルに縮小することで合意した。当初は減産幅を580万バレルまで圧縮する予定だった。同年1月から毎月、閣僚協議で翌月の減産幅を決めるが、縮小幅は最大で日量50万バレルに抑える方針だ。

当面の原油需要は新型コロナの感染状況が左右する。7日以降、英国などがワクチン接種を始める見通しだが、供給体制は不安定で、世界規模のまん延が早期に収束するとは限らない。OPECプラスも長期の減産計画を立てられないでいる。

OPECを主導するサウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相は3日の協議後の記者会見で、ワクチンが世界に行き渡るほど十分に確保されていないとの認識を示した。接種で感染を抑制できると確認できるまで「我々は注意深くなければいけない」と述べた。

石油天然ガス・金属鉱物資源機構によると、減産の基準の産油量はサウジとロシアが日量1100万バレル、そのほかの産油国は18年10月の実績だ。

消費国の組織である国際エネルギー機関(IEA)は11月の月報で、20年の石油需要が日量9130万バレル(前年比880万バレル減)と予想した。前月時点から40万バレルの下方修正。ワクチン普及による需要回復は21年後半以降だと見通していた。

報道などによると、サウジは当初、減産幅の縮小の3カ月延期を求めていた。一方、ロシアは21年1月からの段階的な供給増を提案した。OPEC加盟国でもイラク、アラブ首長国連邦(UAE)などがロシアの「増産」案に関心を示した。

OPECプラスの決定を受け、原油相場は上昇した。国際指標の北海ブレント原油先物は1バレル49ドル前後と、3月以来の高値圏に達した。

一方、新型コロナのほかにも供給過剰に陥りかねない要因は多い。米大統領選で当選を確実にしたバイデン前副大統領はトランプ米政権が18年に離脱したイラン核合意への復帰を模索する見通しだ。これが実現し、トランプ政権がイランに科した同国産原油の輸出禁止制裁が解ければ、国際市場の需給も緩む。内戦が続いていたリビアは最近、生産を急増させた。

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