「乳児揺さぶり」母に無罪 大阪地裁「犯罪証明できず」
大阪府内で2017年、生後4カ月の長男を揺さぶるなど暴行し、頭部にけがをさせたとして傷害罪に問われた母親(35)に対し、大阪地裁(大寄淳裁判長)は4日、無罪判決を言い渡した。求刑は懲役3年だった。
乳幼児の揺さぶりを巡っては、岐阜地裁が今年9月、長男の脳に重い後遺症を負わせたとして傷害罪に問われた母親に「犯罪と証明はできない」として無罪を言い渡した。2月にも、大阪高裁と東京地裁立川支部で無罪判決が出ている。
判決理由で大寄裁判長は、脳神経外科医の証言から、長男には以前から慢性硬膜下血腫が生じていた可能性があり、その影響で頭部の静脈が切れやすくなっていたと指摘。被告が抱っこひもに結んだ長男と一緒に自転車に乗った際の振動で静脈が切れ、急性硬膜下血腫などが生じた疑いがあると判断した。
母親は17年6月26~27日、自宅で長男を揺さぶるなどし頭部に衝撃を与え、急性硬膜下血腫や眼底出血などのけがをさせたとして起訴された。
弁護側は、直接暴行を加えていないとして無罪を主張。長男のけがは、被告がひもで抱っこしながら自転車に乗った際の揺れによる可能性が否定できないとしていた。〔共同〕