米、中国共産党員のビザ期間短縮 最大10年を1カ月に
【ワシントン=永沢毅】米国務省は3日、中国共産党員とその家族が米国に入国する際の査証(ビザ)の有効期間を従来の最大10年から1カ月へと大幅に短縮すると明らかにした。米世論に悪影響を与える工作活動に歯止めをかける狙いだが、中国が反発するのは確実だ。
制限対象は商用と観光ビザ。1度でも入国すれば、それ以降は無効となる。ただ、著名な党幹部はともかく、9000万人とされる党員を把握するのは容易ではないとの見方もある。

国務省は今回の措置を「中国共産党の悪質な影響力から米国を守るための試みだ」とした。トランプ政権はかねて中国共産党がプロパガンダを通じ、米国人に影響を及ぼそうとして米国での活動を活発にしているとの懸念を示していた。国務省は「米国の価値に敵意を持つ個人のビザを制限する権限がある」と強調した。
10月には中国共産党員の米国への移民制限を厳格に運用する方針を打ち出した。ポンペオ国務長官は米国にある中国主導の教育機関「孔子学院」の早期閉鎖を促すなど、中国による世論工作を食い止めるための取り組みを強化している。