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イランで核活動拡大の法成立 核合意復活の交渉、困難に

イラン国営メディアによると同国で2日、ウラン濃縮活動の拡大や国際機関による核査察の制限を政府に求める法が成立した。11月に著名な核科学者が暗殺されたことへの対抗措置で、穏健派のロウハニ大統領はこれに反対の立場だ。米大統領選での勝利を確実にしたバイデン前副大統領はイラン核合意の立て直しをめざすが、交渉は厳しいものとなりそうだ。

2日の閣議に出席したロウハニ大統領(イラン大統領府提供)=AP

反米の保守強硬派が多数を占める国会が1日に法案を可決し、2日に護憲評議会が承認した。異例の速さでの法成立となった。

ガリバフ国会議長は「(イランだけが犠牲を強いられる)一方的なゲームは終わりだ」と述べ、核合意から離脱して相次ぎ対イラン制裁を復活させた米国の圧力に強く対抗していく立場を強調した。

同法は、核合意の当事国である英独仏中ロに対し、金融、原油などの米制裁が無効になるような方策を2カ月以内に見つけるよう求めた。応じられなければ、(1)ウラン濃縮度の20%までの引き上げ(2)国際原子力機関(IAEA)による抜き打ち査察の受け入れ停止(3)低濃縮ウランの貯蔵の1カ月500キログラム以上の増加――などを実行する義務が政府にあるとしている。

ウラン濃縮度は核合意で3.67%が上限とされた。イランは米制裁に対抗し、これを4.5%まで引き上げた。20%まで濃縮度を高めれば、兵器級とされる90%への到達は容易になるとされる。 イランは欧州に圧力を加える目的で、核合意の義務から小幅な逸脱を重ねてきた。今回の法律が求める内容を実行に移せば、核合意は完全に崩壊しかねない。

ロウハニ大統領は法律について「外交活動を阻害する」と批判していた。法律は政府が履行を拒めば訴追すると指摘している。政府がこれによって実際の核関連の活動をどの程度しばられるかは不明だ。

バイデン氏は米ニューヨーク・タイムズ紙とのインタビューで、イランが厳格に義務を果たすことを条件に核合意に復帰する意向を改めて表明した。

米が復活させた強力な原油・金融制裁で経済が大きな打撃を受けたイランでは、保守強硬派の勢いが増す。2021年6月のイラン大統領選で、任期満了のロウハニ師に代わり、強硬派の大統領が当選する可能性が大きいとみられている。

(ドバイ=岐部秀光)

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