フェイスブック日本法人、専門部署などVR事業強化
フェイスブックジャパン(東京・港)は3日、メディア説明会で仮想現実(VR)事業に力を入れる方針を示した。自前コンテンツの拡充に加え、地域の祭りの担い手支援などに取り組む。

フェイスブックやインスタグラムなど米フェイスブックが提供するサービスの世界利用者は9月の段階で32億1千万人。前年同月と比べて14%増えたという。これらSNSやメッセージアプリに加え、最近はVR端末を使ったゲームなども重要な事業となっている。

「VRで日本は最も重要な市場の一つだ」。フェイスブックジャパンの味沢将宏代表取締役は強調した。10月からゴーグル型VR端末の新機種「オキュラス・クエスト2」を家電量販店などを通じて販売しており、売れ行きは好調という。

VR用のゲームや映像コンテンツは外部企業が開発して提供する。日本発のコンテンツではバーチャルユーチューバー「キズナアイ」やテレビアニメ「リトルウィッチアカデミア」に関連したタイトルが出ている。11月にはユーザーの運動時間や消費カロリーを測れる機能も一部で始めた。
日本でのVR利用やコンテンツ開発を促進するため、社内で専門の支援チームを発足させた。端末の販売促進や顧客からの問い合わせ対応を強化するほか、日本向けにコンテンツ作成のサポートも担う。在宅勤務中にVR上の画面で作業できる「仮想オフィス」の開発も目指している。
最近は中小店舗がインスタの動画配信や通販機能を活用する事例が増えている。国内の利用者はインスタで買い物を楽しむ傾向が高く、商品の詳細を見る利用者の割合は他国の3倍という。一方で、米国などで使える決済機能の導入時期については明言を避けた。
米フェイスブックはコロナ対策で中小企業に世界で計1億ドル(約104億円)の支援枠を設けた。日本でも助成プログラムを立ち上げ、約690社に年明けまでに約3億円を支給する計画だ。
11月には地域の祭りを支援するオマツリジャパン(東京・渋谷)と共同プロジェクトを始めた。新型コロナウイルスで祭りの実施が難しくなる中でオンライン開催のノウハウを共有したり、将来の祭りの理想像を議論したりといった取り組みを進める。
(伴正春)

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