震災伝承の課題共有、宮城県が研修会を初開催
宮城県は3日、東日本大震災の伝承活動に取り組む団体向けに研修会を開催した。語り部や震災遺構の見学、ワークショップを通して伝承活動の工夫点などを共有し、団体間のつながりを強化した。県による伝承活動の研修会は初めて。

研修会には宮城県名取市や石巻市、山元町で伝承活動に取り組む団体などが参加した。参加者は震災で93人が犠牲となった気仙沼市杉ノ下地区での語り部活動を聴講した後、震災遺構である気仙沼向洋高校の旧校舎を見学した。
宮城県の担当者は研修会を開催した理由について「震災の経験を次世代につなげることが必要。課題を共有しながら伝承に取り組んでもらいたい」と話す。参加者からは「津波の高さの例え方など表現が勉強になった」との声が聞かれた。県は2021年1月にも研修会を開催する予定だ。
東日本大震災から11年、復興・創生期間がほぼ終了した被災地。インフラ整備や原発、防災、そして地域に生きる人々の現在とこれからをテーマにした記事をお届けします。