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英、首相の解散制約廃止へ 日本の改憲論議に波及

【ロンドン=中島裕介】英政府は首相の下院解散権を制限する議会任期固定法を廃止する方針を決めた。欧州連合(EU)離脱を巡る政治停滞の原因になったため、首相の意思で解散できる以前のルールに戻す。日本の憲法改正論議に影響する可能性がある。

英政府が1日、同法を廃止する法案の詳細を公表した。議会任期固定法は2010年の総選挙で単独過半数を取れなかった保守党のキャメロン政権が自由民主党と連立を組む際に導入した。

総選挙の期日を原則5年ごとに固定し、その期間中に解散するには下院の3分の2以上の賛成が必要になった。保守党の都合で恣意的に解散されるのを防ぎたい自民党の要請で制定した。

保守党が単独過半数割れするとEU離脱協定案を議会で可決できない状態が続いた。議会任期固定法の制約のため、首相が解散総選挙で多数をとって成立を目指す方法も使えなかった。

18年11月に英・EUが協定案を決めてから実際に離脱するまで1年2カ月かかる要因となった。

英政府は法案の序文で「議会任期固定法は議会のまひを引き起こした。必要な選挙の実施を困難にして、民主主義の機能を妨げた」と廃止の必要性を訴えた。

日本にも憲法改正によって首相の解散権を制限すべきだとの主張がある。議会制民主主義のモデルとされる英国にならった動きだったものの、根拠である議会任期固定法が廃止になれば下火になるとの見方がある。

立憲民主党の泉健太政調会長は2日の記者会見で「英国の動きも注視をしながら議論を深めたい」と述べた。

加藤勝信官房長官は「実質的に衆院の解散を決定する権限を持つのは天皇の国事行為に助言と承認をする内閣だ」と説明した。「いかなる場合に衆院を解散するかは内閣がその政治的責任で決すべき事柄だとされている」と語った。

英国政治に詳しい慶大の細谷雄一教授は「首相の解散権を縛りすぎると政府と議会の権力バランスが崩れる。政府が必要な施策をとれなくなり、国益を損ねかねない」と指摘する。

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