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1~9月の不動産投資、首都圏が世界首位を維持

不動産サービス大手のジョーンズラングラサール(JLL)は2日、1~9月の首都圏への投資額が上半期に続き世界首位だったほか、2021年も堅調との見通しを発表した。世界的な低金利などを背景に、利回りの厚い物流施設などに資金が流入するとみている。投資マネーをさらに呼び込むには情報開示などの透明性も課題となる。

物流施設への投資が活発になっている

JLL日本法人の河西利信社長によれば「新型コロナを中心に世界的に不確実性が続くなか、安定性の高い日本に投資する動きが強まっている」という。欧米と比べて感染者数が少なく「有事の日本買いが起きている」との見方を示した。

JLLが世界のオフィスやホテル、物流施設などを対象に投資額を集計した1~9月の首都圏の投資額は194億ドル(約2兆円)となった。ニューヨークが上半期の2位から1~9月は5位に落ちる一方で、首都圏は上半期に続いて世界首位を維持した。大阪エリアも45億ドルで18位に入り、日本全体の投資額は前年同期比2%減の約3兆4500億円だった。

1~9月の海外投資家の比率は38%で、19年通年(21%)を大きく上回る。JLLの大東雄人ディレクターは海外投資家の動向について「大部分を占めていたオフィスに加え、コロナ禍でも成長が見込める物流施設や住宅に投資している」と述べた。日本の不動産市場の利回りは比較的厚く、魅力的に映るという。

全体に占めるオフィスへの投資割合は1~9月に31%と、19年通年の40%から減少した。都心5区の賃料は企業のオフィス縮小が増える中でも底堅く推移しているが、中期的にみれば不確実性も強い。一方でネット通販の利用拡大などを背景に物流施設の人気は高く、割合は30%と急上昇した。安定収益が期待できる住宅が22%で続いた。

21年の見通しについて、大東氏は「各中央銀行の金融緩和で投資待機資金は増えている。政治面が安定し市場規模も大きい日本への資金流入は続く」と語る。オフィスや住宅、物流施設のほかデータセンターなどに投資対象が広がっていくとも指摘した。コロナの収束時期は見通せないが、日本の不動産市場は堅調に推移しそうだ。

課題は市場の透明性だ。JLLが9月に公表した世界各国・地域の不動産市場の情報開示姿勢などを評価した「透明度調査」で、日本は16位と前回から順位を下げた。「ビルの管理費用や取引額の開示などが不十分」との指摘があった。さらに海外投資家を呼び込むにはデータの積極開示などが必要になりそうだ。

(原欣宏)

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