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タイ首相の軍退役後の官舎居住「合憲」 デモ隊は反発

【バンコク=村松洋兵】タイの憲法裁判所は2日、プラユット首相が陸軍退役後も軍人用の官舎に住み続けていることについて、違憲ではないとの判決を下した。若者を中心とする反体制デモ隊は、憲法裁が軍政の流れをくむ政権寄りだとの批判を強めている。

2日、タイ中部サムットソンクラーム県を視察したプラユット首相=タイ政府提供

プラユット氏は2014年9月の退役後もバンコクの陸軍駐屯地内にある官舎で暮らしている。憲法は国務大臣が政府機関から便宜供与を受けることを禁じており、違憲と判断されれば即時失職となるはずだった。

憲法裁は9人の裁判官全員が合憲と判断した。判決理由を「陸軍の規則に違反しておらず、(首相と政府の)利益相反には当たらない」と説明した。

プラユット氏の住宅問題は、最大野党でタクシン元首相派の「タイ貢献党」が3月に下院議長を通じて憲法裁に訴えた。首相側は安全上の理由などから官舎で生活する必要があると説明していた。官舎には過去の国軍出身の首相経験者も住み続けた事例がある。

憲法裁の判決を受け、政権退陣を要求する反体制デモ隊はバンコクの交通の要衝にある交差点で抗議集会を開いた。

憲法裁の裁判官は国王から任命される。政党や政治家の合憲性にかかわる問題を審理する権限を持つ。国軍の影響下にあるとされ、以前から政権寄りの判決を繰り返している。

2月に民主派野党「新未来党」に対し、タナトーン党首(当時)の同党への融資が違憲であるとして解党を命令した。同氏と同党幹部は政治活動を10年間禁じられた。

新未来党は19年3月の下院総選挙で反軍政を訴えて第3党に躍進し、軍事費削減や徴兵制廃止を主張していた。同党は若者から人気が高く、解党命令は反体制デモが拡大するきっかけとなった。

憲法裁は14年に国軍や官僚など保守派と対立関係にあるタクシン氏の妹のインラック首相(当時)に対して、政府高官の更迭人事が不当な介入だったとして違憲判決を下している。同氏が即時失職した結果、タクシン派と保守派の対立が深まり、プラユット氏が混乱収束を名目に軍事クーデターを起こした。

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