日銀副総裁「地銀の経営基盤強化を」 秋田の懇談会で

日銀の雨宮正佳副総裁は2日、オンライン形式で開いた金融経済懇談会で講演し、秋田県経済界などの代表と意見交換した。「地域経済の持続的発展には地域金融機関の経営基盤の強化が一層重要だ」と述べた。経営統合や経費削減に取り組む地方銀行への支援策の活用に期待を示した。

懇談会後の記者会見で雨宮副総裁は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う企業の資金繰り支援などで「秋田県内の金融機関は今回の難局に積極的に対応している」と評価。ただ低金利の長期化などに加え「全国で最も速いペースで人口減少が続き、経営環境は厳しさを増している」とした。
地域経済の持続的発展には「十分な資本と収益力を確保し、地域の課題を解決するような付加価値の高い金融サービスを提供することが重要だ」と強調し、支援策の活用を促した。
またIoT(モノのインターネット)の導入などで生産性を向上させる「官民一体の取り組みが経済成長力を高めることを期待する」と述べた。
新型コロナの感染拡大に伴い秋田市内のホテルと日銀本店をオンラインで結び、懇談会を開いた。秋田県側からは県銀行協会の新谷明弘会長、県商工会議所連合会の三浦広巳会長、秋田市の穂積志市長ら10人が出席した。