/

米HPEもシリコンバレー離れ 本社をテキサスに移転

【シリコンバレー=奥平和行】米ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)は1日、本社をカリフォルニア州サンノゼ市からテキサス州に移すと発表した。同社は米シリコンバレーの源流企業であるヒューレット・パッカード(HP)の流れをくみ、IT(情報技術)企業による立地の見直しを象徴する動きになりそうだ。

同社はテキサス州ヒューストン市郊外で新社屋の建設を進めており、2022年の完成にあわせて本社を移す見通しだ。HPEのアントニオ・ネリ最高経営責任者(CEO)は同日、「ヒューストンは多様な人材の採用や定着に向いた地域だ」と説明するとともに、コスト低減を移転の理由として挙げた。

HPEの前身企業であるHPは米スタンフォード大学で学んだビル・ヒューレット氏とデービッド・パッカード氏が1939年、カリフォルニア州パロアルト市に設立した。HPは米アップルの共同創業者、スティーブ・ジョブズ氏が学生時代にアルバイトとして働くなど、多くのIT企業や経営者に影響を与えた。

HPは2015年、パソコン・プリンター事業を担う「HP」と企業向けITサービス事業を担当するHPEに分離した。その後も2社はパロアルト市に本社を置いていたが、HPEは19年にサンノゼ市に移転。ただ、サンノゼ市もシリコンバレーに含まれており、80年以上にわたって「創業の地」を本拠地としていた。

米有力IT企業ではデータ解析を手がけるパランティア・テクノロジーズが今夏、本社をパロアルト市からコロラド州に移した。本社移転ではないもののデータ共有サービスを手がけるドロップボックスのドリュー・ハウストンCEOもテキサス州に転居したと報じられており、HPEの移転はこれらに続く「脱シリコンバレー」の動きとなる。

背景にあるのはシリコンバレーの生活費や人件費の上昇だ。米NPOによると、シリコンバレーの住宅価格の中央値は17年に100万ドル(約1億400万円)を突破し、5年間で約5割上昇した。IT企業が必要とする技術者を中心に人件費の高騰も続いた。こうしたなか新型コロナウイルスの感染拡大により在宅勤務が広がり、立地を見直す動きが相次いだ。

本社の移転には踏み切らないものの、シリコンバレー以外の地域で拠点を拡大する動きもある。米フェイスブックは5月、自宅で働くことを前提とした技術者の採用を始めるとともに、ジョージア州アトランタ市などにこうした技術者を統括する拠点を開設すると発表した。一方、米グーグルはシリコンバレーの本社地区で社屋の増床や拠点新設を進めている。

初割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン