CO2ゼロの鋼材100%利用を促進 欧州・豪企業が参加
【フランクフルト=深尾幸生】英国の非政府組織(NGO)ザ・クライメートグループなどは1日、二酸化炭素(CO2)の純排出がゼロの鋼材の利用を促進する団体「スチールゼロ」を立ち上げた。洋上風力発電世界最大手のオーステッド(デンマーク)などが参加し2050年までにCO2ゼロの鋼材を100%使うことを目指す。

オーステッドのほか、オーストラリアの建設大手レンドリース・グループや英不動産大手グロブナー・グループの英・アイルランド法人など鋼材の需要家8社がまず参加する。建設・電力のほか、自動車業界など鋼材利用の多い企業の参加を募る。
クライメートグループは事業活動で使う電力の全量を再生可能エネルギーで賄うことを目指す「RE100」で知られる。鉄鋼は世界のCO2排出の7%を占めており、温暖化対策には鉄鋼の脱炭素化が必要と判断した。
再エネの普及が進む電力とは異なり、コークス(石炭)を主原料に使う鉄鋼はCO2をゼロにする方法が確立していない。水素の利用やCO2の回収・貯蔵(CCS)などが検討されているが、大規模な投資が必要だ。スチールゼロでは、CO2ゼロの鋼材の市場をつくることで、鉄鋼会社に技術の確立やコスト削減の加速を促す。
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