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中小の業態転換に補助金 規模拡大で生産性向上

新型コロナの影響で、厳しい経営が続く中小企業は少なくない

政府の成長戦略会議(議長・加藤勝信官房長官)は1日、当面の経済政策の方向性を示す「実行計画」をまとめた。新型コロナウイルス禍による「新たな日常」に対応した企業の構造改革を補助金などで促すのが柱。業態転換や事業の再構築で中小企業の生産性を高める。脱炭素社会の実現やデジタル化への集中的な投資にも予算を振り向け、経済の回復をめざす。

実行計画は今年7月に決めた経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)の具体的な施策となる。2020年度第3次補正予算案や21年度予算案の編成に反映される。

首相は会議で「日本企業の最大の課題は生産性向上だ。今後あらゆる取り組みを行うとともに、成果を働く人に分配することで働く国民の所得水準を持続的に向上させ、経済の好循環を実現する」と述べた。

ウィズコロナの時代に対応し、従来の事業の継続が難しくなった中小企業に対し、業態転換や事業の再構築を促す「新たな補助制度の整備を検討する」と明記した。たとえば飲食店がデリバリー専門店に転換する場合などを想定する。業態転換や規模の拡大、新分野への進出などを補助の対象とする方向だ。

現在は中小企業に最大200万円を給付する経済産業省の「持続化給付金」があるが、政府は予定通り21年1月までで受け付けを終える方向で検討している。新しい補助金は事実上の後継制度となる。補助金額は持続化給付金よりも積み増す方向で、企業にも一定割合の負担を求める。

政府は中小企業向け支援策の適用可否を企業規模で線引きすることが多い。中小企業が成長の過程で資本金を増やすと支援の対象から外れるため、規模の拡大をためらうケースがある。このため既存の補助金について、資本金の規模にかかわらず支援を受けられるようにする法改正も検討する。

コロナの感染拡大前から経済成長率の低かった日本はコロナ禍からの回復も米欧などに比べて鈍い。実質国内総生産(GDP)がコロナ前のピークの水準に戻るのに4~5年かかるとの見方もある。低成長の理由の一つが、国内企業の大半を占める中小企業の労働生産性の低さにある。就業者1人当たりのGDPは大企業の半分に満たない。

このため実行計画では時間あたり労働生産性を向上することの必要性を指摘した。中小企業が合併や再編、事業転換などで規模を拡大できれば、生産性の向上につながり、1人当たりの所得も高められるとする。

11月19日の成長戦略会議で、首相のブレーンとされる小西美術工芸社のデービッド・アトキンソン社長は「生産性を上げるために十分な企業規模まで各社の成長を促進する政策に切り替えるべきだ」と訴えていた。

首相が温暖化ガスの国内排出量を50年までに実質ゼロにする目標を掲げたのを受け、実行計画には革新的な技術開発を後押しすることも盛り込んだ。新しい技術について国が効率性や販売価格などの目標を定め、その達成をめざす企業に開発資金を支援する10年間の基金を新設する。複数年度にわたり取り組んでもらい、開発できなかった場合は一定割合を返還させる方向で検討している。

今回の実行計画について、政府は「前向きに取り組む企業を伸ばす政策だ」(事務局)と説明する。一方、コロナは足元でも感染が拡大しており、人的、物的資源を成長に振り向けられる企業が多いとはいえない。成長を前面に出した政策の実効性を高めるには課題も多い。

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