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75歳以上の医療費「2割負担」、与党に先送り論

官房長官「施行時期も検討」

75歳以上の医療費の窓口負担割合引き上げを巡り、与党で「年内決定、2022年度までに施行」という政府が描く日程の先送り論が強まってきた。公明党の山口那津男代表は決定を見送るよう唱えた。自民党は施行時期を柔軟に定めるよう訴える党見解をまとめた。

政府は高齢化で膨張する社会保障費を抑制するため、22年度までに2割負担とする区分の新設を検討する。原則1割負担から2割に上げる対象範囲について、厚生労働省は年収ごとに5つの線引き案を示した。

公明党の山口代表は1日の記者会見で「今年結論を出すのはいかがなものか」と提起した。「新型コロナウイルスの感染の影響はまだ終局がみえない」と語った。

感染への恐れから広がる受診控えなどで医療費の総額は減少傾向がみられる。山口氏は「国の負担も減っているのに、なぜ自己負担を増やすというところに直結するのか」と疑問を呈した。

年内判断という時期だけでなく負担拡大にも慎重だ。同党の石井啓一幹事長は11月20日に「原則1割負担は維持すべきだ」と2割負担に否定的な考えを示した。

自民党も1日、党本部で人生100年時代戦略本部(下村博文本部長)の会合で、取りまとめを下村氏に一任した。

決めた文書で「22年度の早期の実施が望ましいが、施行に要する準備期間なども考慮し、適切な時期を設定すべきだ」と指摘した。新型コロナの状況を見極めるよう促す党内の声を反映した。

2割負担にする範囲の基準の明記も避けた。

現役世代の負担増を抑えるためできるだけ広くする意見と高齢者に配慮して限定的にすべきだとの主張を併記した。「総合的に勘案し、一定所得以上の方に限って窓口負担を引き上げるべきだ」と表現した。

2割負担導入は当初20年夏に制度設計を終える予定で、すでにコロナ対応のため半年延ばした。それでも与党に慎重論が根強い背景には選挙への影響の懸念がある。

21年10月の衆院議員の任期満了までに衆院解散・総選挙があり、22年夏には参院選も控える。高齢者の負担を増やす政策は選挙にマイナスだとの議員心理が働きやすい。

1日の自民党会合では若手議員が「衆院選が控えるタイミングでの2割負担は再考してほしい」と説いた。自民党の二階俊博幹事長は11月30日に「選挙の直前を選んで議論するのが適当かも含めて十分に念頭に置いて対応したい」と言及した。

加藤勝信官房長官は1日の記者会見で「年末に向けて施行時期についても検討を進めたい」と述べた。菅義偉首相から関係閣僚に「与党との調整を十分図りつつ、具体的な検討を進めるよう指示があった」と強調した。

首相は11月24日の全世代型社会保障検討会議で「年末にとりまとめる最終報告において結論を得たい」と発言していた。

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