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米、台湾有事に警戒強める 議会超党派が対中報告書

(更新)
アザー米厚生長官(左)は8月に台湾を訪れ、蔡英文総統と会談した=ロイター

【ワシントン=永沢毅】米議会の超党派諮問機関、米中経済安全保障再考委員会(USCC)は1日、2020年版の報告書をまとめた。中国が手段を選ばずに台湾統一に動く可能性があるとして、台湾有事に強い警戒感を表明、支援を強化するよう提言した。

超党派のUSCCは元政府高官らでつくるメンバーが毎年報告書を作成し、米政府に政策を提言する。大統領選で当選を確実にした民主党のバイデン前副大統領の対中国政策にも影響を及ぼす可能性がある。

今回は、台湾の項目で20年6月の香港国家安全維持法の制定に言及した。「中国の指導部が既存の約束などを気にせず、政治的目的をめざすことを示した」と指摘した。これらの動きが「米国による長年の台湾政策の変更や、中国の台湾統一が米国の安全保障上の利益に与える影響に関する議論の緊急性を浮き彫りにした」と強調した。

習近平(シー・ジンピン)指導部が武力統一を含めた強硬な手段に打って出る可能性に強い警戒感を示した格好だ。

報告書はそのうえで、台湾への支援を一段と強化するよう提案した。具体例として、台湾にある米国の代表機関で事実上の大使館である米国在台湾協会(AIT)を巡り、大使に相当する事務所長の選定方法の変更を提言。他国の大使と同じように米大統領が指名し、上院の承認を必要にする法整備を訴えた。

同協会は米国と台湾の交流窓口の役割を果たしてきた。事務所長は国務長官が選び、上院の承認も不要だ。米国は1979年の断交以来、台湾を国としては扱っていない。変更に踏み切れば、台湾の国際的地位は高まり、他国との関係を強化しやすくなる効果が見込める。最近は中国の圧力で台湾と断交に踏み切る国が相次いでいる。

ただ、台湾を通常の国家に近い扱いとするような提案に中国が反発するのは確実だ。このほか、報告書は台湾を多国間の製造業のサプライチェーンの枠組みに組み入れるよう米政権に促した。

対中強硬路線を鮮明にしたトランプ政権は台湾との関係強化に動いた。米台間で初の経済対話を開いたり、断交以来で最高位となる政府高官として厚生長官を台湾に派遣したりした。台湾側もトランプ政権の姿勢を歓迎するムードが強かった。

「バイデン政権」はこうした台湾への接近を続けるかどうか難しい判断を迫られる。中国とは気候変動や北朝鮮核問題、軍縮などで協力を探っており、台湾問題で中国を刺激するのは避けたいとの判断が働く可能性もある。

一方、報告書は、国連での中国の影響力拡大にも警鐘を鳴らした。国務省に国連での中国の活動について年次報告書を作成するよう要請した。中国が威圧的な方法で加盟国に投票行動を強いるケースなどを例に挙げた。中国による弾圧強化を踏まえ、香港市民への米国ビザ(査証)を発給しやすくすることも米政府に求めた。

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