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韓国法相、解任も視野 文政権vs検察、攻防ヤマ場

【ソウル=恩地洋介】検察改革を巡り対立する韓国の秋美愛(チュ・ミエ)法相と尹錫悦(ユン・ソクヨル)検察総長の法廷闘争が始まった。総長側は法相が命じた職務停止は不当だとして、措置の停止を求める仮処分を申請した。法相は総長の解任も探っており、長引く文政権と検察の攻防はヤマ場を迎えている。

ソウル行政裁判所は30日、尹総長の職務停止に関する審理を開いた。秋法相側は「尹総長の不正は重大で職務停止は必要だった」として仮処分申請を棄却するよう求めた。尹氏側は職務停止は「違法かつ不当だ」と主張し「民主主義と法治が生きているとは言えない」と訴えた。

裁判所は一両日中に仮処分の可否を判断するもようだ。仮処分が出れば尹氏は職務に復帰できる。ただ、韓国メディアによると秋氏は裁判所の判断にかかわらず尹氏を解任に追い込む構えだ。

12月2日に法務省の懲戒委員会を開き、処分を決める。解任や免職が決まった場合は、任命権者である文在寅(ムン・ジェイン)大統領の裁可に持ち込まれる。

法相が尹氏を引きずり降ろそうとする理由は、検察の抵抗で文氏の肝煎りである検察改革が遅れているからだ。検察は文政権の要人が絡む可能性がある複数の疑惑を捜査している。尹氏がトップにとどまれば、反政権の立場で共闘する保守勢力は改革反対の声をさらに強めるとみられる。

改革の柱は、検察に代わり上級公務員を捜査する「高位公職者犯罪捜査処」の発足だ。国会では保守系野党の抵抗によって、トップ人事が決まらずにいる。議会の多数を占める革新系与党は、野党の同意なしでも人選を可能にする改正法案を提出しており、近く単独採決に臨もうとしている。

新たな捜査機関は、大統領経験者や政治家、政府高官の捜査を担う。絶大な権力を振るってきた検察は権限を失い、組織の弱体化は必至だ。

このため、秋氏の強引な手法に一般の検事らも抗議の声を上げ始めた。保守系紙の中央日報によると、約1800人いる検事の98%が「総長の職務停止は違法」とする声明に賛同した。

政権と検察の対立が深まる中で、尹氏は「反・文政権の象徴」となりつつある。調査会社のリアルメーターが30日に公表した世論調査によると、尹氏は次期大統領にふさわしい人物の2位に浮上した。1位は与党「共に民主党」の李洛淵(イ・ナギョン)代表で20.6%だった。尹氏は19.8%で李氏に肉薄した。

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