/

転落防ぐホーム扉 普及道半ば、新技術活用も模索

 白杖を持った男性がホームから転落し、電車にはねられ死亡した東京メトロの東陽町駅。ホームドアは設置されていたが、運用開始前でドアは開いたままだった(29日午後、東京都江東区)=同社提供・共同

東京メトロ東西線東陽町駅(東京・江東)で29日、白杖(はくじょう)を持った視覚障害者の男性(68)がホームから転落し、電車にはねられ死亡する事故が起きた。転落防止に有効なホームドアは設置に巨額の費用が必要で、普及は道半ばだ。国は事故防止に人工知能(AI)などの活用も模索する。

事故は29日午後0時45分ごろ発生。警視庁によると、男性は東京都江戸川区のマッサージ師で、視覚障害を示す障害者手帳を持っていた。

防犯カメラには男性がホームに降りた後、立ち止まることなく転落する様子が映っていた。当時反対側のホームに電車が止まっていて、同庁は男性が転落した側のホームに電車が来ていると勘違いした可能性があるとみている。同駅はホームドアの設置工事済みだったが、来年2月稼働予定でドアは開いていた。

視覚障害者が転落後に列車と接触して亡くなるケースは最近も相次いでいる。今年は、JR日暮里駅(東京)や垂水駅(神戸市)、阿佐ケ谷駅(東京)でそれぞれ視覚障害者が死亡する事故が起きた。

鉄道各社は対策の要となるホームドアの設置を進める。国土交通省によると、2019年度末時点でホームドアを設置しているのは855駅(速報値)で、11年度末の519駅から65%増えた。視覚障害者の転落は15年度の94件をピークに減少傾向にあるが、19年度も63件発生した。

ホームドア設置には1駅に数億円の費用が必要で、さらなる普及には時間がかかる。国交省はITやセンサーといったホームドア以外の新技術活用を模索する検討会を立ち上げ、10月から議論を始めた。

検討会では、ホームのカメラ映像をAIが解析して駅員が電車を止めるシステムや、ホーム端にICタグを設置し、近づくと視覚障害者の手首に着けた装置が振動して知らせる技術などが紹介された。

こうした技術の一部は実証実験が始まっており、ホームドア以外による安全対策の強化も進められている。〔共同〕

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン