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タイ国王軍駐屯地前で反体制デモ 王室改革を要求

放水防ぐアヒルが抵抗の象徴に

(更新)
放水を防ぐ盾の役割を果たしたことからアヒル型ボートが抵抗の象徴に(29日、バンコク)=ロイター

【バンコク=村松洋兵】タイの若者を中心とする反体制デモ隊は29日、首都バンコクにあるワチラロンコン国王直属の陸軍部隊の駐屯地前で抗議集会を開いた。過去の軍事クーデターに抗議するとともに、国王の権限縮小を含む王室改革を改めて要求した。治安当局などとの衝突はなく、29日午後10時(日本時間30日0時)すぎに終了した。

数千人規模のデモ隊がバンコク北部にある鉄道駅から陸軍第11近衛歩兵連隊の駐屯地に向かった。放水を防いだことから、デモ隊の象徴となっているアヒル型ボートを担いで行進した。駐屯地前に到着すると警備に当たっていた治安当局と対峙した。

同連隊を含む2つの連隊は2019年10月に指揮権が国防省から国王に移された。憲法で国王は国軍の総帥と規定されるものの、デモ隊は国王による軍の私物化と問題視している。デモ隊は「ナチスドイツのヒトラーは個人の部隊を持ち大虐殺を行った」との声明を読み上げ、国王による連隊の直轄化を批判した。王室に対する不敬罪があるタイでは極めて異例の事態となった。

同連隊は10年に国軍がタクシン元首相派のデモを武力弾圧した際に投入され、過去の軍事クーデターでも実動部隊になったとされる。

2連隊の国王直轄化を巡っては、当時出された緊急勅令を法制化する国会採決で、民主派野党「新未来党」が反対に回った。国王に絶対的権威があるタイで王室に関わる法令に異議を唱えるのは異例で物議を醸した。

新未来党は当時のタナトーン党首の自党への融資が違憲であるとして、20年2月に憲法裁判所から解党を命じられた。憲法裁は軍政の流れをくむプラユット政権の意向をくんだとみられている。同党は若者の支持が高く、反体制デモが拡大するきっかけとなった。

王室改革は政権退陣、憲法改正と並ぶ反体制デモの要求項目だ。反体制派は立憲君主制でありながら国王を事実上の頂点とする政治体制を変えなければ、民主化は進まないとみており、王室改革に主眼を置きつつある。

25日には国王が筆頭株主である地場金融大手、サイアム商業銀行の本店前で、国王の巨額資産を批判するデモを行った。

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