米国のコロナ感染、初の1日20万人 ロスは外出禁止令

【ニューヨーク=中山修志】米国で新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。新規感染者は27日に初めて20万人を超え、カリフォルニア州のロサンゼルスでは不要不急の外出を終日禁止する命令が出された。ロシアやメキシコなどでも感染ペースが高止まりしており、世界の新規感染者数も過去最多を更新した。
米ジョンズ・ホプキンス大によると、27日の米国の新規感染者数は20万5500人と直近ピークだった20日の19万6000人を上回った。過去最多の67万人となった世界の新規感染者数のうち3割を米国が占める。28日は15万5500人だった。
カリフォルニア州ロサンゼルスでは新規感染者数が5日間の平均で4500人を超え、公衆衛生局が不要不急の外出を12月20日まで禁止する緊急命令を出した。同州のその他の9地区でも午後10時から午前5時まで外出が禁止される。
米国の感謝祭の翌日である27日は「ブラックフライデー」の特売イベントが実施された。今年はネット通販が中心で店舗は営業時間の短縮や入店者数の制限といったコロナ対策をとったが、郊外の商業施設などは家族連れの姿も目立った。感謝祭休暇の週末は会食や集会などが増えるため、感染拡大のリスクが指摘されている。
11月初旬に感染者数が急増した欧州は英国やフランス、ドイツなどが外出禁止を含む厳しい措置に踏み切り、足元の感染ペースは落ち着きつつある。一方、米国のコロナ対策は州によってばらつきが大きく、店舗営業も規制を設けていない州が多い。
米国では米食品医薬品局(FDA)が近く新型コロナのワクチンの緊急使用を承認する見込み。実用化への期待が高まるが、一般に普及するのは来春以降となる見通しだ。高水準の感染ペースが続けば、クリスマスシーズンに向けて米経済への打撃も懸念される。